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鹿児島「マルヤガーデンズ」、フロアサインで2周年をにぎやかに表現

4月から6月までマルヤガーデンズのフロアサインを担当する馬頭理沙さん

4月から6月までマルヤガーデンズのフロアサインを担当する馬頭理沙さん

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 今春オープン2周年を迎えたマルヤガーデンズ(鹿児島市呉服町6)の各フロアを現在、新しく起用された地元デザイナー、馬頭理沙さんの華やかなフロアサインが彩っている。

「オンドデザイン事務所」内で作業する馬頭理沙さん

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 フロアサインは各階エレベーター横、エスカレーター前など各所に設置され、同店を訪れた買い物客らの目を楽しませている。これまで、石原美紅さん、ミッシートントンさん、あごぱんさん、竹添星児さん、迫アユミさんら鹿児島をメーンに活動するアーティストたちが担当してきた。

 2周年を祝うフロアサインを担当したのは、イラストレーターの馬頭(バトウ)理沙さん。理沙さんは現在、夫の亮太さんと共に鹿児島市内でデザイン事務所を経営している。

 馬頭さんは熊本県八代市出身。「物心ついたころから、外で遊ぶより絵を描くのが好きだった」。崇城大学卒業後、熊本県内のグラフィックデザイン事務所勤務を経て上京。東京ではデザイナー亮太さんのアシスタント業務を行いながら、主にグラフィックデザインを担当していた。業務と並行して自身のホームページを開設したことがきっかけで、ホームページの画像、ロゴなど、イラストレーターとしての仕事が増えていった。

 しかし昨年3月11日、東日本大震災が発生。同日は馬頭さんの母親の誕生日で、地震は祝いの電話を入れた2時間後のことだった。「震災は確かに苦しく悲しい体験だったが、直接作品には影響していないと思う。だが震災を経て、明るさや楽しさがストレートに伝わる作品を描きたいという気持ちが強くなった」。震災後間もなく、亮太さんの出身地である鹿児島市に移住し、「オンドデザイン事務所」を開設した。

 「鹿児島に移ってからは、カラフルで笑顔の多い、柔らかいラインでイラストを描くことが増えた。穏やかで前向きな気持ちでいられる。今は、思わずクスッと笑えるようなユーモアの効いた作品を描きたい。似顔絵や、結婚式のウエルカムボードを描いてほしいという依頼も増えた」と笑顔で話す。「イラストレーターとして自分自身の可能性を感じられるようになった」とも。

 鹿児島で暮らしていると、街中でも草の匂い、土の匂いを感じられホッとするという。独立し事務所を構える際、鹿児島の人の温かさを感じた。「マルヤガーデンズからの依頼にも、春らしい、柔らかい画調を意識した」と馬頭さん。

 フロアサインの企画などを担当するマルヤガーデンズのコーディネーター、市村良平さんは「馬頭さんには、マルヤガーデンズの2周年をにぎやかに表現してほしいと依頼した。実際に作品に触れ、馬頭さんの豊かな感受性を共感してもらえれば」と話す。「フロアサインが鹿児島の若手デザイナーの発表、発掘の場となれば。今後はさらに一般とアートの接点を探っていきたい」とも。

 フロアサイン展示中、4階カフェガーデンで6月4日~10日、馬頭さんの個展も予定する。

 営業時間は10時~20時。

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