買う

鹿児島の老舗・ニワ陶器店で「白山陶器 森正洋の平茶碗展」

創業55年を機に、備え付けの陶器棚を丸ごと奥の倉庫へ移動し、その中から厳選したものをショールームで展示販売し始めた。

創業55年を機に、備え付けの陶器棚を丸ごと奥の倉庫へ移動し、その中から厳選したものをショールームで展示販売し始めた。

  • 0

  •  

 ニワ陶器店(鹿児島市卸本町、TEL 099-260-2161)で現在、「白山陶器 森正洋の平茶碗展」が開催されている。

ショールーム全体

[広告]

 創業55年を機に、創業から今日までの間に同社の先代が全国から集めてきた陶器を棚卸し、改めてその魅力を見直してスポット的に展示販売する同展。その第1弾となったのが、長崎県波佐見地区の白山陶器と、同社顧問デザイナーで、戦後日本の陶磁器業界で活躍した代表的デザイナー、故・森正洋さんの平茶わんだ。経済産業省によるグッドデザイン賞やグッドデザインロングライフデザイン賞を数多く受賞する陶器で、同展でも機能性に加えデザイン性も兼ね備えた作品が並ぶ。

 ニワ陶器店は1973(昭和48)年まで営業していた天文館呉服町から卸本町に拠点を移し、常設のショールームで展示販売を行っていた。「今の時代、食器はスーパーなどの量販店に行けば事足りるが、用途によってなぜその造形が適しているのか、なぜその陶器がいいのかを丁寧に説明できる店の存在を絶やしたくない」との思いで営業を続けている。

 ニワ陶器店本店倉庫で定期的に開催しているイベントなどに出展する六花窯(小山田町)店主らとの出会いがあり、現在は県内各地の小売店主や客とのつながりをを持つ。1973年まで営業していた呉服町のビルの取り壊しを前に古き良きものを扱う小売店が集まり、同ビルで2日間のイベントを開き、多くの来場者を集めたことがきっかけ。

 3代目社長に就任した丹羽秀樹さんは「魚屋も八百屋も、旬のものや一番おいしい食べ方を教えてくれる。豊かな生活を送りたいと思う消費者に、日用雑貨を選ぶ判断基準を伝えるのが役目」と話す。「民藝品の良さを口伝いで後世に伝えていきたい」とも。

 マルヤガーデンズ(呉服町)の「D&DEPARTMENT鹿児島店」(TEL 099-248-7804)で現在開催中の「森正洋の平形めし茶碗展」は、偶然開催時期が重なった。丹羽さんは「従来は競合であるはずの雑貨店だが、一緒に鹿児島の陶器シーンを盛り上げ、いい競争ができれば」と話す。

 営業時間は9時~18時。3月31日まで。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース