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「女優たぬき」さんが立ち上げた公演 息子たちが受け継ぐ「遠い約束」

公演の様子

公演の様子

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 鹿児島の県民交流センターの県民ホール(鹿児島市山下町)で8月3日、女優たぬき追悼・第18回平和作品公演「遠い約束~おじいさんのタイムカプセル~」が行われる。

女優たぬきと息子たちによる公演

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 同公演は、2016(平成28)年に亡くなった主宰の女優・たぬき(本名=田上美佐子)さんの遺志を、長男で音楽プロデューサーの田上陽一さん、二男で俳優の田上晃吉さんが受け継ぎ行っている。

 鹿児島を拠点に、全国で人権や命をテーマに一人芝居を行っていたたぬきさん。その活動を見た人から、鹿児島出身の人が実際に体験した長崎の原爆体験記の本を渡され、「どうか芝居にして上演してもらい、多くの人に知ってもらいたい」と依頼を受け、2000(平成12)年に陽一さんと晃吉さんが、鹿児島で「平和作品公演」と題して公演を行ったのが始まり。最後に行った公演2016(平成28)年の観客数は約800人。

 鹿児島の特攻基地から飛び立った特攻隊員たちの話を、実際に遺族や元隊員などに取材し、実話を基にした演劇作品で、子どもや孫、次の世代に戦争の悲惨さ、平和の尊さ、命の大切さを語り伝えていく活動を行っている。

 当日公演する「遠い約束~おじいさんのタイムカプセル~」は、2000(平成12)年の初演以来、全国の小中高で上演し続け、ブーゲンビル島で戦死した叔父を持つ著者の室積光さんが、戦友会など戦争体験者や遺族を実際に訪ね歩くことで分かった戦中日本の「現実」をベースに作られた物語。初演から現在に至るまで、取材で戦前の生活に関する新しい情報が入る度にその部分を書き換えて「リアル」に当時の現実を描くものへと改稿しているという。2017(平成29)年には小説としても出版されている。

 晃吉さんは「この公演は、活動を継続していくためにチケット代金を上げず、より多くの人に来場してもらえるようにクラウドファンディングを行っている。これまで多くの人に支えてもらい公演を続けることができたことに心から感謝。天国へ旅立った母『女優たぬき』が立ち上げた公演を、息子である私たちが引き継ぎ、子どもや孫、次の世代も平和な時代が続くように思いを込め、微力ながら今年も精いっぱい伝えていきたい」と話す。

 12時30分開場、13時開演。チケットは、前売り=大人=2,000円、学生=1,000円。当日=2,500円。ファミリーマート、セブンイレブン、鹿児島ユナイテッドカフェなどで扱っている。

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