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仏芸術家マークエステルさん、鹿児島・照国神社に絵画奉納-企画展も

「マークエステルの世界を会場で実感してもらいたい」と話す後援会代表・後藤像二さん

「マークエステルの世界を会場で実感してもらいたい」と話す後援会代表・後藤像二さん

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 日本の神話をモチーフにした創作活動を続けているフランス人芸術家、マークエステル(本名=マーク・アントワーヌ・スキャルシャフィキ)さんが5月21日、鹿児島・照国神社(鹿児島市照国町)に絵画を奉納する。同24日から「夢空間ギャラリー」(中町、TEL 099-222-1928)で「マークエステルの世界展」も開く。

マークエステルさん

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 奉納される油絵は60号の大作。「照国神社に祭られている島津斉彬(なりあきら)と桜島を描いている」(マークエステル後援会代表・後藤像二さん)。22日には、新田神社(薩摩川内市)へ「天孫・ニニギノミコト」を描いた25号の作品を納めるという。

 古事記編纂(へんさん)1300年を記念して24日から開催する個展では、「東日本大震災で自然の脅威を痛感した日本人に、自然を敬い、共に生きる日本人古来の魂を伝える」ことをテーマに、約80点の絵画、版画、ガラス工芸作品などを展示する。

 後藤さんは「今回、神として祭られている島津斉彬を描いたことには大きな意味がある」と話す。「古事記編纂1300年を記念する年に、作品を通じてもう一度日本人としてのアイデンティティーを考えてもらえたら」とも。

 外交官だったマークエステルさんは1943(昭和18)年パリ生まれ、1970(昭和45)年大阪万博にフランスの外交官として初来日した際、京都の清水寺で初めて見た水墨画に魅了され、日本文化に傾倒して芸術家に転身した。

 油彩に、墨の濃淡で神秘的な世界を表現する「にじみ」の技法を取り入れた独自の技法を確立。これまで、古事記や日本書紀に登場する神々を題材として創作活動に取り組み、独自の視点と技法で描いた作品は世界的にも高い評価を得ている。1977(昭和52)年にはシルク生地によるセリグラフを制作して、仏高級ファッションブランド「ピエール・カルダン(Pierre Cardin)」や「ピエール・バルマン(Pierre Balmain)」などに採用された実績を持つ。

 1994年に京都文化博物館で京都建都1200年を記念した展示会に屏風画「伊邪那岐(いざなぎ)、伊邪那美(いざなみ)、日本の誕生」を展示して以来、全国の100近い神社に絵画などを奉納。その活動は、NHKなどの番組でも取り上げられ、2007年には神社庁から外国人としては初めてとなる「文化奨励賞」を受賞している。

 開場は10時30分~19時(最終日は17時)。入場無料。今月27日まで。

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