不老不死のクラゲ、「かごしま水族館」に展示-イルカ水路で捕獲

かごしま水族館に展示している「ベニクラゲ」。5ミリほどのベル型でとても小さなクラゲ。

かごしま水族館に展示している「ベニクラゲ」。5ミリほどのベル型でとても小さなクラゲ。

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 「いおワールドかごしま水族館」(鹿児島市本港新町、TEL 099-226-2233)1階の「ワクワクはっけんひろば」に10月7日から、若返るクラゲとして知られる「ベニクラゲ」が展示されている。

ベニクラゲの一生(図解)

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 同館のイルカ用プールからつながるイルカ水路(館外)で同館職員の築地新光子さんが捕獲した。「ベニクラゲ」は直径4~5ミリの小さなクラゲ。半透明の体を持ち、透けて見える消化器が赤いことから名前が付いた。

 通常、弱ったクラゲは海底に沈んだ後に全て溶け去ってしまうが、ベニクラゲは溶ける途中で丸くなり、基礎に付着してポリプになることがある。ポリプとは、クラゲの通常の繁殖で通る過程の一つで、ポリプが成長するとクラゲ芽ができ、やがてこれが海中に離れて親クラゲになっていく。親クラゲが再びポリプの状態に戻り一生を繰り返すと学会で発表され、「不老不死」のクラゲとして知られるようになった。

 この「若返り」が初めて発見されたのは地中海産のベニクラゲだったが、2001年に世界で2例目となる「若返り」の現象を確認したのが「かごしま水族館」だった。鹿児島湾内で採取したベニクラゲで確認したもので、築地新さんと京都大学瀬戸臨海実験所・久保田信准教授が捕獲。若返りの世界記録は久保田准教授による9回(2011年)。

 「クラゲはちょっとしたことで死んでしまう。水路で捕獲できれば展示を続けるが、あまり長くは展示できないかもしれない」と築地新さん。「不老不死の可能性を秘めたクラゲ。ぜひ見に来ていただければ」と呼び掛ける。

 営業時間は9時30分~18時。入館料は1,500円(小・中学生=750円)。

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