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仙巌園で「薩摩糸びな手作り教室」、いったん途絶えた伝統工芸を体験

丁寧に紙を重ね合わせて糸びなの着物を作る。

丁寧に紙を重ね合わせて糸びなの着物を作る。

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 別名「磯庭園」とも呼ばれる名勝仙巌園(鹿児島市吉野町)で2月16日・23日、「薩摩糸びな手づくり教室」が開かれる。

昨年の様子

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 「薩摩糸びな」は1本の薄い竹が本体で、顔がないのが特徴。髪は麻糸、着物は竹の上から色鮮やかな和紙や紙を何重にも貼り合わせて作る。鹿児島の伝統工芸品の一つで、江戸時代初期に製作が始まり、戦前までは長女が生まれた家の初節句に知人や親せきが贈り、ひな壇に飾る風習があった。「生まれた子どもが健康に育つように」という願いを込め、強くて丈夫な麻糸が使われている。

 講師を務める新山禮子さんの工房「小澤人形」は県内で唯一糸びなを製作しており、戦後途絶えていた同人形を世に復活させた母・小澤スミ子さんの技術を守り続けている。ひなまつりを控えたこの季節のみ行われる同教室は例年、友人連れや家族連れなどでにぎわう。定員は各30人。両日ともにまだ空きがあるという。

 名勝仙巌園は1658年、19代藩主島津光久が築いた別邸。1万5000坪の敷地に島津斉彬と勝海舟が面談したあずまや、島津忠義が生活した御殿、桜島を一望する広大な日本庭園など、明治維新に至るまでの薩摩藩の歴史がつづられており、ドラマ「篤姫」のロケ地としても知られる。

 営業企画課の大川未波さんは「鹿児島の伝統工芸をこの機会にぜひ体験してほしい。庭園は早咲きの桜が見頃を迎えている。併せて楽しんでいただければ」と呼び掛ける。隣接する尚古集成館では、江戸時代の「薩摩糸びな」を展示する「人形とひな道具展」を開催中。

 開催時間は13時~15時。参加費は2,000円。要予約制。申し込みは電話で受け付ける。入園料は、大人=1,000円、小・中学生=500円。

 ※初掲時、記事の内容に一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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