鹿児島市電いづろ通り駅近くの天文館なや通り(鹿児島市中町)が2015年に400周年を迎えるのに当たり、7月8日の「なやの日」に「400年祭」が開幕した。6日~13日の「なやの週」には、さまざまな催しがにぎやかに行われた。
初日は、「なやの週(納屋週)」にかけて「納屋衆」が弐番神輿を担いで通りを歩き、子どもの無病息災を祈って「稚児上げ」を行った。小学生を中心としたブラスバンド「リトルチェリーズ」も軽快なスイングジャズでお祝いした。
「なやの日」には、セレモニーや餅つきパフォーマンス、祝い餅の振る舞いのほか、太鼓や笛を鳴らしながら「ちんどん屋」が登場し、「プレ400周年号 なや通りかわら版」を配って歩いた。「かわら版」には、なや通り400年の歴史や店舗紹介、通りのマップなどを掲載。現在は通りの店舗に設置されるなどして、PRに役立てられている。
1615(元和元)年、薩摩藩主島津家久公が認めた48人の魚や塩の専売人「納屋衆」が始まりといわれるなや通り。中央市場(鹿児島市城南町)が開設されるまでは「納屋馬場(なやんばあ)」の愛称で魚市場として栄え、当時は肩がぶつかるほど人通りが多かったという。1954(昭和29)年にアーケードが設置され、現在では飲食・食品・服飾・美容・雑貨などさまざまなショップが立ち並ぶ通りとなった。
通りで一番古い海産物店「中原商店」の3代目店主の中原時宏さんは「なや通りは人に愛されてきた街。これからも商売の原点を忘れず、お客様が求めるものを準備してお待ちしたい」と話す。納屋通り商店街振興組合の大脇唯真理事長は「400年という歴史の重みを感じていただきながらも、若い人が気軽に来られ、高齢者には優しい通りを目指していきたい」と意気込む。
2015年には年初に「400年祭初商」を行うほか、締めくくりとなる7月8日にも催しを計画中という。詳細は随時ホームページで発表する。