鹿児島の若手ビジネス集団「TenBiz」が6月18日、萌えビジネスをテーマにした勉強会を開催した。会場はマルヤガーデンズ(鹿児島市呉服町)7階の「ガーデン7」。
TenBizは鹿児島の社会人・学生がそれぞれの得意分野を生かした企画を通じて、学び合うコミュニティー。昨年1月から各月または隔月ペースで、音楽やアート、落語など多岐にわたるテーマで勉強会を開いてきた。
第1部では、アキバ経済新聞副編集長の直井勇人さんをゲストに招き、「萌えビジネス最前線」をテーマにトークセッションを展開。萌えビジネス成功三大要素として「本物」「萌え」「ネタ」を挙げ、AKB48などの事例を分析。萌えビジネスの成功パターンとして、「萌え絵×特産品」「アニメ・ゲーム×観光地」「オリジナルモノ」を紹介。講演後半の質疑応答では「オタクの性差について」「『萌え絵×特産品』にさらにプラスの要素が必要なのでは」など、さらに議論が深まった。
第2部は参加者によるワークセッション。参加者は1チーム5~6人の4チームに分かれ、直井さんの話などを参考に、鹿児島の観光地・特産品と萌えを結びつけたビジネスプランを企画。約2時間の中で、コンセプト、提案先、ターゲット、商品、販売経路などを設計し、商品化を見据えた本格的な議論が交わされ、「黒酢×青春」「温泉×若おかみ」「かつおぶし×美少年武士」「お茶×地元の女子高生」をテーマにした企画が提案された。参加者による投票の結果、「かつおぶし×美少年武士」が最優秀企画に。直井さんは「ボーイズラブ的なアプローチや裏マーケティングもあるのでは」と講評した。最優秀企画は今後TenBizとして、実際に企業に提案していくという。
参加した鹿児島市内の雑貨店で働く男性は「講義の内容を実際に企画に落とし込むことは難しかったが、他のチームの考えを聞けたりして楽しかった」と振り返った。鹿児島市内のNPOで働く女性は「これまで『萌え』とか知らなかったが、その純粋さと(それゆえの)際どさの境目にワクワクした。興味をもった」と笑顔を見せた。
直井さんは「鹿児島の特産品と萌えのコラボレーションで面白いアイデアもたくさん出た。地方が盛り上がれば面白い」と、今後の展開に期待を寄せる。