鹿児島大学(鹿児島市郡元1)で3月7日~10日、「東北記録映画三部作」の連続上映会とディスカッションが行われる。
3月11日、東日本大震災から5年目を迎えるに当たり、「震災の記憶をさまざまな地域で共有し、後世に伝えていくきっかけになれば」と同大法文学部の中路武士研究室が主催する。最終日の上映後には、監督の濱口竜介さんがスカイプで出演し、中路准教授とのディスカッションを繰り広げる。
作品は、「被災者の声を聞くこと」をテーマとしたドキュメンタリー映像の3部作。被災者との対話を丁寧に撮り続けた「なみのおと」(2011年)、その続編「なみのこえ 新地町」「なみのこえ 気仙沼」、そして東北地方の民話を伝える「うたうひと」(以上、2013年)の全4編。
「そこに映し出された彼・彼女たちの表情と声のどれもが素晴らしい」と話す中路准教授。「鹿児島に住む私たちにも、彼・彼女たちと同じように、友人や同僚や恋人や夫婦や兄弟の思い出、それぞれ地域の記憶を持っている。映画を通して、語りの声を通して、あらためて人生について、日々の暮らしについて、そして皆さんの大切なものについて思い返してもらいたい」と呼び掛ける。
鹿児島初上映となる同作品。これまで全国20カ所以上と海外でも上映されており、「胸に染み入るような映画だ」などと反響を得ている。「何をおいても見たほうがいい傑作。日本映画をリードする若手注目株、濱口さんの話を鹿児島で聞ける機会もめったにない。映画を通して、学生や地域の方々とともに鹿児島から考えてみたい」とも。
各日18時開場、18時30分上映開始。入場無料、予約不要。問い合わせは同研究室(TEL 099-285-8909)まで。