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鹿児島市立美術館で企画展「フロム・ジ・エッジ」 80年代鹿児島生まれの7人

高橋賢悟さんの作品

高橋賢悟さんの作品

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 鹿児島市立美術館(鹿児島市城山町)で現在、特別企画展「フロム・ジ・エッジ」が開催されている。

展示作品

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 1980年代の鹿児島に生まれ、「全国で活躍する作家」「今後の飛躍が期待される作家」7人を紹介する同展。県内在住の宮内裕賀さんと篠崎理一郎さんを除き、「鹿児島で本格的に紹介するのは今回が初めて」と学芸員の谷口雄三さん。

 エントランスには現代美術家・高橋賢悟さんの3作品を展示。生花から取られた石こうの型にアルミニウムを流し込んで一つ一つのパーツを鋳造する技法の作品で、パーツは10万個にもなるという。「気の遠くなる作業。制作に1年がかかるため、作品数が少ない」と谷口さん。

 版画家の芳木麻里絵さんはシルクスクリーンを用い、インクを何百回も重ねて立体感や質感を出すという独自に開発した技法の作品を展示。桜島の火山灰を使った新作も並ぶ。

 油彩画家の篠原愛さんは少女とアマビエ、少女と新型コロナウイルスを描いた新作2点、園子温さんが監督した映画「アンチポルノ」のポスターに使われた作品などを展示する。

 イカだけを描く「イカ画家」として知られる宮内裕賀さんはイカをモチーフにするだけでなく、画材にイカスミやイカの甲から抽出した白い顔料、イカの目玉も使った作品も展示する。

 7歳の頃から空想の地図を描き続けているという今和泉隆行さんは架空の都市「中村市」の地図を壁一面に展示。併せて、ピザのチラシや運転免許、レシート、落とし物、スマホ上のSNSまで再現する。

 木彫の七搦(ななからげ)綾乃さんがクスの丸太を彫刻した4作品を広々と展示する一方、ペンで緻密な世界を描く篠崎理一郎さんは66点を展示する。「作家には場所だけを割り当て、作品数や空間の使い方、ライティング(照明)は全て作家に任せた」と谷口さん。「通常の展覧会にあるようなパーティションが無いため、作品を間近で見られる」とも。

 開館時間は9時30分~18時(入館は17時30分まで)。10月25日休館。観覧料は、一般=1,000円、高・大学生=800円、小中学生=600円。11月7日まで。

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