マルヤガーデンズ(鹿児島市呉服町6)ガーデンズシネマで3月10日、映画「アンダンテ~稲の旋律~」の上映が始まった。
現代社会がはらむ「心」の問題を取り上げながら、日本の食と農の課題をも問う問題作として昨年1月の公開以来、全国各地で自主上映会が開かれている。旭爪(ひのつめ)あかねさんによる原作「稲の旋律」は2001年9月~2002年2月、「しんぶん赤旗」に連載後、単行本化され、第35回多喜二・百合子賞を受賞した。
タイトルに付けられた音楽用語「アンダンテ」の意味は「歩く速度で、ゆっくりと」。心を病んだ主人公・千華(ちか)が、美しい日本の田園風景を背景に農業を営む中年男性と出会い、大地と触れ合い、作物を育てる体験を通して自らの命と心の再生をかなえていく姿を描く。ヒロインは、数々のミュージカルで高い評価を得ている新妻聖子さんが務め、彼女を導く農業家を筧利夫さんが演じる。
これまで鹿児島での上映はなかったが、同作品に感銘を受けた霧島プロジェクト代表で、「リアル熟議SATSUMA」などを主宰する梶原末廣さんが同館に上映を持ち掛け実現にこぎ着けた。
マルヤガーデンズ7階で、3月18日16時~18時、「鑑賞して語る会」も開く。梶原さんがコーディネーターを務め、ゲストにファシリテーターとして活動の場を広げている石川世太さんを迎える。参加無料。
上映時間はホームページで確認できる。