鹿児島の「中央公園」(鹿児島市山下町)と県民交流センター前の「県政記念公園」(同)で11月17日、「文化薫るかごしま」のスターティングイベント第2弾が開催される。
「鹿児島は黒田清輝、藤島武二などの芸術家を多く輩出し、日本吹奏楽の先駆けである薩摩藩軍楽隊を生み出したことなど、美術や音楽にゆかりのある地。しかし、都市化の進展や少子高齢化により、伝統芸能や祭り・風物詩を継承していくことが難しくなりつつある」と話すのは市教育委員会文化課の幸福崇さん。これを受け、市では「美術」「音楽」「地域伝統芸能」に重点を置き、各分野に関わる事業を展開。「文化振興を通じた元気な地域づくり・人づくりを進める」としている。
アミュプラザ鹿児島のアミュ広場で行われた第1弾の「アート・セッションKAGOSHIMA」では、郷土芸能を特設ステージで披露。その後、砂田光紀さんをコーディネーター、藤浩志さん・ジャズピアニストの山下洋輔さんを招きシンポジウムを開いたほか、山下さん(ピアノ)、小松康さん(ベース)、森田孝一郎さん(ドラムス)によるスペシャルセッションも行われ、2000人を超える人が耳を傾けた。
第2弾は「想いつながる夕べ」と題し、「あかり」「音楽」「伝統芸能」の融合を図る。県政記念公園の特設ステージでは郷土芸能を披露するほか、市内の高校生吹奏楽部による演奏、「otto&orabu」のライブなどを開催予定。中央公園では、ヘリウムガスとLED電球を入れた風船約600個を漂わせる「GINGA」(現代アート作家・平野治朗さん)や、光るドームなどを制作する。光る風船の数百個は一般参加者によって県政記念公園に運ばれることになっている。
「3つの分野に重点を置くのは鹿児島独自の動き。来年度以降は、鹿児島の中心部だけでなく地域の方でもイベントを開催していく予定」と幸福さん。市では、今後5年間で「音楽、美術、伝統芸能等の文化振興を通じて、まちの魅力が高まっている」と感じる市民の割合(市民アンケート調べ)を45%に、10年間で50%まで引き上げることを目標にしている。
開催時間は、中央公園=15時~21時、県政記念公園=16時50分~20時。