春の選抜高校野球に大隅から初めての出場校が決定し鹿児島中が沸いた中、「鹿実vs.薩摩中央 番狂わせから見える甲子園」(図書出版南方新社)が3月20日、出版された。
同書では、2011年の高校野球鹿児島県大会準決勝で、優勝候補とされていた強豪・鹿児島実業を、地方校である県立薩摩中央高校が破った世紀の番狂わせの一戦について、勝った薩摩中央と敗れた鹿児島実業の選手、監督や関係者と、スポーツ解説者などの第三者、それぞれの目から見たエピソードが詳細につづられる。そこから見える、鹿児島高校野球の新時代の到来について迫る。
5章から成り、第1章『「いつも通り」戦うこと-鹿実』、第2章「無欲、無心の勝利-薩摩中央」、第3章「第三者の目」、第4章「必死のパッチ」、第5章「2000年代、鹿児島高校野球を考える」。
今春、選抜高校野球で1回戦を突破した尚志館は、鹿児島市から車で1時間半の志布志市にある。少子化や過疎化が進む地方にとって、今回の大隅から初の選抜高校野球大会出場と1回戦突破は、大きな話題となった。その尚志館のドキュメントも収録されている。同書の著者、政(つかさ)純一郎さんは、近年の鹿児島高校野球の歴史では無名だった高校による活躍に「必ずしも強豪校に行かなくても甲子園は目指せることを小中学生の球児には感じてもらいたい」と話す。「現役の選手や指導者をはじめ、高校野球ファンに限らず心に響く内容になったのでは」とも。
価格は1,800円。全国主要書店ほか、アマゾンなどオンライン書店でも扱う。