鹿児島の「ホワイトギャラリー」(鹿児島市下竜尾町、TEL 099-248-3904)で現在、「あごぱん」さんの個展「パンダ的解釈北斎之図」が開催されている。
あごぱんさんは擬人化したパンダを描く「パンダ絵師」で、描く絵には必ず白黒のパンダが出現するのが特徴。同展では、「富嶽三十六景」「諸国名橋奇覧」「諸国滝廻り」など、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の絵をベースにしたカラフルな画と、北斎のイラストカット集「北斎漫画」をベースにしたモノクロのイラスト約30点を展示・販売している。
アートマーケットに大学時代に出展したことが、絵を描き始めたきっかけというあごぱんさん。大学卒業後、サラリーマンをしながらも絵を描き、2006年ごろから擬人化パンダのみを描くようになった。2008年に脱サラ、パンダ絵師「あごぱん」として現在も活動を続けている。ビルの外壁や店内の壁、パンダのイラストで哲学者を紹介するサイト、企業やホテルとコラボするインスタレーションなど、画材や場所にかかわらず活動の幅は広い。現在は東京・赤坂のギャラリーに所属し、年ごとにテーマを変えて年数回、東京と鹿児島で個展を開いている。
今回は、赤・黄・青と原色豊かに色を使いインパクトのあるカラフルな色使いながら、「普段はあまりしない『ぼかし』にも挑戦している」とあごぱんさん。あごぱんさんの「見る人を飽きさせたくない」という思いは、テーマ変更以外に、一つの作品の中にも見られる。ベースは葛飾北斎を忠実に描きながらも、登場人物や生き物は全てパンダで、よく見るとバックに新幹線が走っていたり、旅人がiPad(作中ではSASA PAD)を持っていたり、セグウェイ(同、SASA WAY)に乗っていたりと、他にもたくさんの「遊び」をちりばめている。「3回、4回見直して見つけられる小さな『笑い』を大事にしている」という。
「常に突っ込みどころ満載の絵を描きたいと思っている。芸人みたい(笑)」とあごぱんさん。
営業時間は11時~18時。月曜定休。今月18日まで。