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鹿児島の学生らが案した「白くま黒豚電車」、3月運行開始へ

鹿児島国際大学の学生が発案した「白くま黒豚電車」が3月から運行を始める。

鹿児島国際大学の学生が発案した「白くま黒豚電車」が3月から運行を始める。

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 鹿児島国際大学(鹿児島市坂之上8)の学生らが発案したプロジェクトから生まれた、シロクマと黒豚をデザインしたラッピング電車(路面電車、市電)「白くま黒豚電車」が3月から運行を始める。

プロジェクトリーダーの山本夏妃さん

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 塗装代や車内広告費、出発式などの経費と市電1台を1年間走らせるためには150万円が必要と目標を立て、プロジェクトリーダーの山本夏妃さん(4年生)を中心に、SNSやメディアを通じて協力を呼び掛けている。

 「鹿児島とあなたと市電プロジェクト」と題し、昨年春にスタートした同企画。「『かごしままち巡り調査』に参加したことがきっかけ。鹿児島と言えば氷菓『白くま』なのに、ホワイトタイガー人気の陰に隠れてしまって元気のないシロクマを盛り上げるために提案した」と山本さん。鹿児島市交通局にプレゼンテーションした当初は「白くま電車」だったが、前後に走る市電ではお尻を前に走ることになるため、鹿児島を代表する食材「黒豚」と合わせ、白黒の車体に決まった。

 すぐに資金集めが始まったが、マッチングがうまくいかず支援は得られなかったという。それは「ただ走らせたい一心で、走らせることをゴールにしていた」ためだった。このラッピング電車の車体には企業PRが載らない。企業訪問やイベントへの参加を繰り返し、たくさんの人に会ってアドバイスを受ける中でようやく「何のために走らせたいのか」と原点に立ち戻った。「まち巡りで知った鹿児島の魅力を、みんなに知ってほしい、もっと発信したい。そのためのツール」。土台がしっかりしたことでプレゼンテーションが根本から変わった。口座を開設し、寄付が集まり始めたのは11月ごろだったという。

 2月7日現在、企業1社(南日本銀行)と一般からの寄付で約111万円が集まった。寄付のほとんどは一般から集まったもの。「自分たちの思いを実現させたいだけでスタートしたが、今はたくさんの人に共感してもらい、お金を出してまで応援していただけることに本当に感謝している」と山本さん。

 「白くま黒豚電車」が市内を走るのは今年3月からの1年間。4年生である山本さんは、今年の春に卒業し、就職先も決まっている。「走らせることがゴールだったのに、走らせてからがスタートだったんだと気付いた。これからだった。走っているからこそ、できることがたくさんある」と後ろ髪引かれる思いを吐露する。車内広告枠には鹿児島の情報を載せていくという。「ずっと走り続けてほしいが、今後が少し気にかかる。白くま黒豚じゃなくてもいい、みんなで走らせるラッピング電車が続いてほしい」と話す。継続させる方法は現在模索中だ。

 プロジェクトでは缶バッジやマグネットなどのグッズも販売している。寄付金は、南日本銀行本支店24店舗に設置した募金箱のほか、専用の口座(口座名「鹿児島とあなたと市電プロジェクト」、鹿児島銀行坂之上支店、普通口座3013587、代表者・馬頭忠治)で受け付けている。

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