鹿児島で、民間・学生・行政が一緒になって空き物件を改装する「DIYリノベーション」の取り組みが進んでいる。DIY好きの有志による「DIY鹿児島タウン構想プロジェクト」の一環。
「DIYで鹿児島を活性化させよう」と5月に立ち上がった同プロジェクト。空き物件を有効活用して街中の空き家や空き店舗を減らし、人が交流するコミュニティーを再生して、さまざまなソーシャルビジネスが生まれるきっかけを作るのが狙いという。
「自分たちの住みたい場所を自分たちで作る(DIY)という価値観の下に人が集まり交流するため、そこにコミュニティーが生まれる」と、不動産会社「すべ産業」(下荒田4)の須部貴之さんは説明する。
現在進行中の下荒田のプロジェクトでは、学生が企画をデザインし、工務店や設計士、飲食店など、町のさまざまな民間業者がコーディネートして空き家をギャラリー併設のカフェにリノベーション中。7月のオープンに向け、毎週日曜に集まって家具を作るなど、これまで50人ほどが参加した。「6月28日も開催予定。みんなでワイワイDIYをする。興味のある方はフェイスブックから連絡してもらえれば」と呼び掛ける。
同プロジェクトが立ち上がるきっかけにもなったという磯海岸沿いのDIYリノベーションマンション「磯浜ビル」(吉野町)は、東京から視察に訪れる人がいたり、Iターンで入居を決める人もいたりと、県外からも注目を集めた。須部さんは、「リノベーションしたコミュニティーを巡るツアーなどに先行して取り組んでいる福岡などと連携して、DIYで作ったコミュニティーが、同じ価値観の人たちとつながれるコンテンツ・観光資源になれば」と期待を込める。