桜島の火山灰を押し固めて作った人形シリーズを製造・販売するモルタルマジック(鳥取県)が6月に鹿児島限定で発売した新商品「幸福のブタ」が、生産が追い付かなくなるほど人気を集めているという。
西郷隆盛と愛犬のツンに始まって以来、カラーバリエーションや、有名キャラクター・地元の名物とのコラボなどで、数々のラインアップを展開してきた同シリーズ。新作となる「幸福のブタ」は、コロンとしたサイズ感のかわいさと、「鹿児島と言えば黒豚」という分かりやすさ、縁起物としての存在感が受け、人気を集めているという。
「思いもよらず、中国人観光客が爆買いしているようだ。それも金のブタだけ…」と打ち明ける同社鹿児島エリア担当の礒江隆司さん。中国においてブタは縁起がよく、60年に一度は金豚の年というものがあるほど。これについては同社も予想外だったようだ。
厄介な桜島の火山灰を、「びっくりするような」商品開発で「宝」に変えようと、昨年同社が立ち上げた「桜島火山灰プロジェクト」。人形シリーズの販売と並行して、「火山灰ねんど」を使った子ども向けイベントや学校への出張講座を行い、知名度を上げている。8月23日には「24時間テレビ」のイベントに同プロジェクトが協力予定。「火山灰ねんどが学校教材になる日も近いかも。灰の買い取りビジネスも実現に向けて取り組んでいきたい」と意気込む。
「幸福のブタ」は黒・金・赤など全5種で、各497円。鹿児島空港やJR鹿児島中央駅、天文館の池畑天文堂、仙巌園、城山観光ホテル、道の駅たるみず、桜島物産館など約50カ所で取り扱う。