「鹿児島を楽しくしよう」と結成された「秘密結社ラーフル」が、鹿児島に古くから伝わる酒の席での遊び「ナンコ」を普及させるプロジェクトに取り組んでいる。総統は、「薩摩剣士隼人」の制作総監督・外山雄大さん。
3本ずつ後ろ手に木の棒「ナンコ珠(ダマ)」を持った2人が向かい合い、何本か隠し持った手を前に出して、2人の合計本数を予想し合う遊び「ナンコ」。勝負に負けると焼酎を飲まされることから、「焼酎を飲めば食が進む、コミュニケーションが生まれる、文化を学べる、鹿児島をもっと好きになれる」など、さまざまな波及効果が期待できる。
「ラーフル」では、「鹿児島の誰もがナンコを携帯する世の中をつくる」という第一の野望を掲げた。外山さんの呼び掛けで趣旨に賛同した各分野のキーマンたちが集まり、今年4月から「夜な夜な秘密の集会を繰り返してきた」という。このほど、持ち運びしやすい名刺サイズのナンコ珠と、ナンコ珠と名刺を一緒に収納できる折り畳み式のケースを、手作りで完成させた。ケースは奄美大島の伝統工芸である大島紬(つむぎ)製。ナンコ珠には「ラーフル」の焼き印を入れた。
街で「ナンコ大会」を開いたり、鹿児島の有名人によるナンコPR動画を制作したり、はたまた特産品コンクールに出品したりと、さまざまな手段で「ナンコ」を広めようと取り組む。さらに、「ナンコ台を飲食店や温泉などに置いて、遊べる場所を増やしたい」「コレクションしたくなるようなナンコ珠を作りたい」「ナンコ珠をデコって女子にも遊んでもらいたい」など、新たなアイデアもあるという。「今は内内でやっているが、軌道に乗って来れば、企業を巻き込むこともできるし、新たな雇用も生み出せる」と外山さんは意気込む。
鹿児島では黒板消しのことを指し、その語源はラテン語で「こすって磨く」の意味を持つという「ラーフル」。「秘密結社ラーフル」の名前には、「いろいろな人たちが集まって、摩擦し合って、人や鹿児島を輝かせよう」との思いが込められている。今後について外山さんは、「『鹿児島が楽しくなるのならやるよ!』と面白がって力を貸してくれる仲間をどんどん増やしていきたい。難しいことは抜きに、違う立場の人同士が手を組めば、鹿児島の未来は楽しく明るいものになるはず」と話した。
ラーフルの最新情報は、フェイスブックページから確認できる。