鹿児島の仙巌園・尚古集成館(鹿児島市吉野町、TEL 099-247-1551)で現在、「薩摩のひなまつり」が開催されている。
仙巌園は1658年、19代島津光久によって築かれた別邸。錦江湾や桜島を庭園の景観に取り入れた雄大な景色で観光スポットとなっている。温帯と亜熱帯の境に位置することから数多くの珍しい植物が植えられているのも特徴。
園内やその隣接地は28代島津斉彬らによって建てられた日本初の工業地帯、集成館の跡地でもある。2015年には仙巌園一帯を含む「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録された。
同祭りでは、島津家の家族が暮らした御殿の中で薩摩の庶民のひな飾りを展示。薩摩武家子女の内職品「キンスケマリ」や糸びな、土人形といった薩摩ならではの飾り付けを紹介している。
関連イベントとして4月9日、古代中国を源流とする宴を再現した「曲水の宴」が行われる。開催時間は13時30分~14時30分。雨天中止。
仙巌園の担当者は「桜に囲まれた大名庭園をゆっくり堪能してほしい」と話す。「園内の反射炉跡近くにある山階宮大妃エイ歯髪碑(やましなのみやたいひえいしはつひ)の側に立つ山桜がお薦め」とも。
開園時間は8時30分~17時30分。入園料は、大人=1,000円、小中学生=500円(尚古集成館と共通)。4月20日まで。