鹿児島では5年ぶりとなる、陶芸家・松元博子さんの個展「-墨の行方-」が8月19日、ホワイトギャラリー(鹿児島市下竜尾町、TEL 099-248-3904)に始まった。
松元さんは、1994年に「ターコイズブルーに魅せられ」陶芸家として独立。2002年には米バージニア州アレキサンドリアでの陶芸研修を積んだ。2015年にはパリで初個展を開催。近年では、九州の美術館や関東で定期的に個展を開くなど、精力的な作家活動を展開している。
松元さんは「ターコイズブルーの作品のほか、自身の原点でもある炭化焼き締めを中心に個展に合わせて作品を制作した。通常の炭化焼き締めで用いる鉄分の多い赤茶色の土では無く、白い土を用いることでグラデーションに幅を持たせることができた。2つの異なる作品の色彩の対比を楽しんでほしい」と話す。
窯の中にさやで部屋を作り、籾殻、木炭と、松元さんのオリジナルのアイデアでコーヒーのカスを天日干しした物を詰め、14時間から16時間窯に入れることで、黒からピンク、オレンジ、白などのグラデーションを完成させたという。コーヒーのカスからでる油分が、炭化して黒くなった部分で白く色付き作品にアクセントを加えている。
同展の会場には食器、花器、陶器・オブジェなど、約200点を並べる。作品は販売も行う。営業時間は11時~18時。月曜定休。8月31日まで。