NHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」のロケ地となった仙巌園(鹿児島市吉野町、TEL 099-247-1551)が2月1日、リニューアルオープンした。
2015年7月5日に世界文化遺産に登録された同館は今回、変わらない江戸時代の日本庭園と、変わりつつある集成館跡を意識し、景観を損なわない建物へとリニューアルした。ガイドツアーでしか入ることのできなかった御殿も一般に開放。写真撮影や立ち入りが禁止されていた場所が一部解除された(御殿入園料は300円)。
ガイドツアー内で提供していたお茶は引き続き「仙巌園茶寮」で提供。同茶寮は「鹿児島の銘茶や銘菓をゆっくり楽しんでほしい」という思いから建てられた和モダンカフェ。社長室広報課のアレックス・ブラッドショーさんは「茶寮内の大きな窓からは桜島や日本庭園を眺めることができる。切り取られた風景が絵画のようだと喜んで写真を撮る人が多い」と話す。
中央部に茶釜をセットし、客の目の前で点茶のサービスを行う。カウンターを錦江湾、茶釜からの湯気を桜島の噴煙に見立てている。メニューカバーは大島紬(つむぎ)を使用。霧島山麓の神聖な霧に育まれた日本でも希少な霧島産抹茶と鹿児島の御菓子司「明石家」の和菓子を用意する。
同館のお薦めは「抹茶とお菓子」(1,000円)、「煎茶とお菓子」(850円)。お菓子は5品の中から選べ、中でも仙巌園限定・明石家オリジナル商品の「飛龍頭(ひりゅうず)」は、白餡(しろあん)に砂糖、ユズ、ギンナン、甘く煮たシイタケなどを入れて焼き上げた和菓子で、「ここでしか味わえない島津家ゆかりのお菓子」として提供している。「『磯の御殿』の上生菓子」(200円増し)は「西郷どん」で登場したお姫様たちが食べていた上生菓子を再現したもの。
「加壽天以羅(カステラ)」(450円)は、「西郷どん」の第1話で西郷小吉(隆盛)が天狗(てんぐ)様(島津斉彬)から「口止め料」としてもらったカステラの包み紙に書いてあった「Cangoxina(カンゴシナ)」の刻印が入った蒲生和紙に置かれて出てくる。和紙は記念として持ち帰る人も多い。
アレックスさんは「『西郷どん』や明治維新150周年記念の影響もあり、昨年度1月~3月9万893人だった来園者数が、今年は13万2927人と前年度の146,2%に伸びている。御殿内には西郷吉之助・隆盛役の鈴木亮平さん、篤姫役の北川景子さん、島津斉彬役の渡辺謙さんなど、著名人のサインも並んでいる」と話す。「四季折々の植物を観賞することができ、イベントや催し物も開かれる。もっと地元の人にも多く足を運んでいただき、庭園内でゆっくり時間を過ごしてほしい」と呼び掛ける。
開園時間は8時30分~17時30分。入園料は、大人=1,000円、小中学生=500円。年間パスポートは、同=1,800円、同=900円(2人以上同時購入で同=1人1,500円、同=1人750円)。