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鹿児島天文館で写真家・中村力也さんが個展 世界一周新婚旅行伝える

南アフリカの現像所でネガを切られてしまった作品

南アフリカの現像所でネガを切られてしまった作品

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 鹿児島天文館の雑貨店「OWL」(鹿児島市東千石町)で4月4日から、鹿児島県出身の写真家・中村力也さんが個展を開く。

「SAUNTER Magazine」第2号と写真集「NOTHING NEW」

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 屋久島の出版社キルティ(屋久島町)が発行する「SAUNTER Magazine(サウンターマガジン)」の第2号発売に合わせて開く同展。中村さんは同号の特集ページ内で、2016(平成28)年に行った1年間の世界一周新婚旅行を紹介しており、同展でも当時撮影した作品を展示する。

 「元々、地図や社会科が好きで世界に興味を持ち、学生の頃からバックパッカーとして短い旅には出ていたが、いつか長い旅に出たいと憧れていた。東京での写真アシスタント生活と、結婚や妻の病気の治療などもあり、長期の休みをとれるのがその年しかなかった」と、新婚旅行での世界一周を決めた中村さん。「いつか過去を振り返る時、妻との結びつきのある思い出を作りたかった。人生は思い出作りだと思っている」とも。

 同展のコンセプトは「Nothing new」。「新しいものは何もない」という意味のタイトルには「どこかですでに見た景色がまた現れるという『既視感』(デジャヴ)を写真で表現したものがベースにあった」という。しかし、新型コロナウイルスの影響が世界的に広がる今、「逆の意味で、平穏無事な世の中が戻ればという意味も含むようになった」と話す。

 同展では、ネガが破れた写真でも、敢えてプリントして展示する。「マダガスカルのバオバブ街道はどうしても訪れたかった場所で何枚もシャッターを切り、いいものが撮れたと思ったが、南アフリカで現像した時には、現像所のミスでネガが切られてしまい落胆した。しかし、そんな写真でもプリントすることで、表現として面白いものとなったし、旅のエピソードとして伝えることができる。どんな写真、瞬間も無駄なものはないと実感した」という。

 会場では2枚並びの写真も展示。「これらはぜひ比較しながら見てほしい。2枚のどこに着眼し、何を比較するかによって一枚一枚の写真の含む意味が大きく違ってくる。その間違い探しのような感覚を楽しんでもらえれば」とも。

 中村さんは初めての写真集「NOTHING NEW」(3,300円)も4月1日、サウンターマガジンと同時発売する。11日には同店向かいの「cafeshop」(鹿児島市中町)で、磯畑弘樹(写真家)さんとのトークショーも予定。参加にはOWLでの同誌(1,760円)の事前購入(カフェでも当日購入可)と1ドリンクオーダーが必要。

 「鹿児島に写真展という形で戻ってこられるのは、とてもうれしい。展示するのは、デジタル化の進行で制作が難しくなったタイプCカラープリントによる銀塩カラー作品。デザインや写真が好きな方、何より旅をしてみたい方に見ていただければ」と来場を呼び掛ける。

 営業時間は11時~19時。4月20日まで。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、トークショーは中止・延期の可能性あり。

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