茶殻を使った料理教室「お茶を知ろう!お茶入りドライカレー作り」が6月20日、かごしま環境未来館(鹿児島市城西)で行われた。
同館で2012(平成24)年より年1回開いている同教室。普段は捨ててしまいがちな茶殻を使った調理方法を伝えている。講師を務めたのは、鹿児島県立短期大学生活科学科の助教・木下朋美さん。参加者は定員の20人で、事前申し込みの段階で定員に達した。
木下さんは「緑茶に含まれる栄養素のうち、ビタミンB1やビタミンC、カテキンなどの水溶性のものはお茶を入れる際に溶け出ているが、ビタミンAやビタミンEなどの脂溶性の栄養素は茶殻に残る。食物繊維やタンパク質なども含まれているので、ただ捨ててしまうにはもったいない」と話す。
カテキンやカフェインなど苦味の元になる成分はお茶として入れる際に出ていくため、茶殻には苦味や渋みが無いという。「茶殻にポン酢などをかけて、ホウレンソウのおひたしのように食べることもできる」とも。
今回調理したのは、「お茶入りドライカレー」「ほうじ茶ナン」「茶殻のポタージュスープ」「お茶とおからのエコ&ヘルシーパウンドケーキ」の4種類。
ドライカレーは通常の手順で材料を炒め、最後に水気をよく切った茶殻を入れる。「カレーの香りに緑茶が負けてしまうので、緑茶の香りはあまりしない」という。ほうじ茶ナンには茶殻ではなく、乾燥葉をミルで粉砕した粉末を使う。「緑茶を焙煎(ばいせん)したほうじ茶は香りが強い。ナンに入れても香りを楽しむことができる」と木下さん。
茶殻のポタージュスープは、ゆでたジャガイモ、玉ネギ、豆乳と共にミキサーにかけ、フライパンで温める。「茶殻以外の材料に香りの強くないものを使うことで緑茶の香りが引き立つ」とも。パウンドケーキはミキサーで茶殻と牛乳、卵を粉砕・かくはんしたうえで、無塩バターや砂糖、おから、粉類とまぜ合わせていく。併せて茶殻の保存方法も伝えた。「茶殻はその日にすぐ使うとは限らない。水気を切って、袋やタッパーなどに入れて冷凍し、使いたいときに使えばいい」
講座では10グラム1,000円の一番茶(新茶)を使った。「一番茶の葉は柔らかくて繊維質が少ないため、おひたし風にそのまま食べることもできるが、100グラム500円以下のものには二番茶や三番茶が混ざるため、葉の繊維質が多くなる。この場合はドライカレーなどの炒めものに使うのがお勧め。ハンバーグなどアレンジ次第でいろいろ使えるので、お試しいただければ」とも。