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鹿児島純心女子高でカンボジア支援講演会 「微力だけど、無力じゃない」

講演する宮手恵さん

講演する宮手恵さん

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 カンボジアで支援活動を行うNPO法人「はちどりプロジェクト」代表の宮手恵さんが7月11日、鹿児島純心女子高(鹿児島市唐湊4)で「SDGs」のワークショップと10年にわたる活動を紹介する講演を行った。主催は同校・社会同好会。

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 宮手さんは北海道室蘭市生まれ。かつては海外旅行添乗員や世界を旅するバックパッカーだったが、「微力だけど、無力じゃない」という言葉を胸に、国際支援を開始。2012(平成24)年2月には支援金を集め、カンボジア・シェムリアップ州のプレイキション村に小学校を設立した。村に昔あった学校は内戦で燃やされ、村人の多くが読み書きできない状況にあったという。宮手さんは「読み書きができないと、学ぶことができない。貧困の一番の原因が教育にある」と考え、教育支援に重点を置いている。

 学校はできたものの、次は「村の出稼ぎ」という問題を抱えた。同村の9割以上はコメ農家だが、それだけでは生活が苦しく、11~5月の農閑期には子連れでタイへ出稼ぎに行く。その間、子どもは教育を受けられない。「学校を建てただけでは通えない現実を知った。気がつけば就労支援や環境保全にまで取り組むことになった」と宮手さん。カンボジア原産の綿と井戸水を使った自然に優しい紙「オークンコー」やせっけん工房などの事業を進めた。

 講演では、宮手さんが直面した課題やコロナ禍で余儀なくされた販売ルートの変更などを説明。ワークショップで伝えた「SDGs」や「フェアトレード」の考え方を元に、日本のほか、フェアトレードに関心の強いヨーロッパなどへの販売を模索していることを話した。聞き入る同校の生徒には「働く会社を選ぶときには、労働条件だけでなく、SDGsの観点からその会社の社会貢献度も調べてみてほしい」と助言した。

 宮手さんは10月にはカンボジアへ戻り、現地での活動を再開するという。同NPOでは、プレイキション村を毎月サポートする仲間「はちどり村民」(月1,000円~)、「はちどり会員」(年3,000円)、「学生会員」(年1,000円)も募集している。

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