農家から直接仕入れた旬の果物や農産物などを青果店以外の異業種店などで販売する「キラク市場」が始まって3カ月が過ぎた。
企画したのはヨシカワプランニング(鹿児島市易居町)。農業大学出身の吉川英佑社長が「以前勤めていた広告代理店で得たノウハウを、農業関連でも生かせないか」と考えたという。
農家からお金を取ることは難しいが、農産物なら話は別。県内の仕入れ先の農家用のパンフレットやポスターなどの販促物を作り、その代金を農産物で頂く。頂いた農産物が売り場で売れれば現金に代わるという仕組み。利益から販促物制作料と手数料を引いた分は農家に還元される。
売り場は店内の一画だったり、店内と外をつなぐ通路やエントランスだったりと、店舗に合わせて変わる。売り場には吉川さん本人が売り子として立つ。農作物の作り手の顔が見えるようパネルも作った。9月に出したナシは1日で40キロが売れたこともあるという。「売れ行きは上々。買って行かれる方も喜ぶし、農家の方にも喜ばれる。それが楽しい」。
農作物は、10月=ナシ・新米、11月=ミカン、12月=桜島小みかん、1月=イチゴと、月替わりで提供し、加工品などのバリエーションも少しずつ増やす予定。吉川社長は「将来的にはホームセンターや中古車店、すし店なども視野に入れている。この企画自体を売っていきたい」と意気込む。