地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティーデザインを目指し、その活躍が注目を集めている山崎亮さんの講演会が1月27日、「マルヤガーデンズ」(鹿児島市呉服町)で開かれた。
講演会は、東京・大阪・名古屋に続き、1月20日~29日に同店で開催されたstudio-L展「コミュニティーデザイン」巡回展に合わせて行われたもの。会場には定員を上回る110人以上が、山崎さんの話に耳を傾けた。
建物や道路を作るのではなく、人と人とのつながりを広げ、深めることで地域社会の活力を生み出していこうという「コミュニティーデザイン」。その第一人者である山崎さんは現在、studio-L(大阪市北区)代表、京都造形芸術大学教授を務める。これまで、「島根県海土(あま)町総合振興計画」「マルヤガーデンズ」「震災+design」でグッドデザイン賞、「こどものシアワセをカタチにする」でキッズデザイン賞を受賞。これまでに20以上の自治体などを成功に導き、NHKの「クローズアップ現代」やTBSの「情熱大陸」などでも紹介された。
山崎さんは冒頭、自分がコミュニティーデザイナーと名乗るようになった経緯を紹介し、「人の流れを生み出す」など、コミュニティーデザインの基本的な考え方を解説しながら、「地域の心に耳を澄まし、その声なき声に寄り添うことで、住民一人一人に自ら課題や魅力を発見させ、自分たちの手で解決法を考えさせ、行動させることが重要」と説いた。併せて、「お金をかけず、もともとその地域にある資源と人材を活用することで、持続可能な発展へと導く」と、多くの具体的な事例と共に山崎さんの手法を披露した。
講演後、聴講者の一人は「コミュニティーデザインという言葉は知っていたが、今日の話を聞いて改めてハードからソフトへの転換期だという認識を新たにした」と話していた。