買う 暮らす・働く

かごしま自由大学、10回目の講座は「古書店学」-古書店主が講師に

かごしま自由大学運営事務局スタッフのみなさん©miwa

かごしま自由大学運営事務局スタッフのみなさん©miwa

  • 0

  •  

 昨年3月に開学した市民大学「かごしま自由大学」の10回目となる講座が2月18日、ラグーナ出版(鹿児島市中央町)で開かれた。

[広告]

 毎月第3土曜日に開講する同大学は、「市民の力で人の学ぶ力と地域の教育力を結びつけることを目的とした市民立の学びの場」として、これまでに「鹿児島人はどこから来たのか」「奄美の力を探る」「鹿児島の力を知る」「鹿児島の力を図る」「市民が考えるかごしま再生プラン」「鹿児島の幸せを語る」「鹿児島の未来を語る」などのテーマを掲げ、それぞれの分野で活躍する市民を講師として迎えてきた。

 今回は「鹿児島の仕事をつくる」をテーマに、古書店を経営する小村勇一さんが講師を務めた。小村さんは、旅をテーマに、小説、紀行本、写真集、雑誌などあらゆるジャンルの書籍を収集。古書店の経営にも関わり、移動販売などの新しいスタイルを積極的に取り入れたり、雑貨店やカフェとのコラボ、ブログやツイッター、フェイスブックなどでの情報発信で古書の普及活動に努めたりするなど積極的な活動で知られる。

 小村さんは、「古書店をしませんか-経営者が願っていること、考えていること、したいこと」と題し、サラリーマン生活を経て「旅」をテーマとする古書店「つばめ文庫」(武岡1)を開業(2010年5月)するまでの思いや、古書店業界に身を置かなければ知ることのできない経験を基に講演。「本と旅の魅力を同時に感じてもらえるような居心地の良い空間を作り出したい」と話を結んだ。

 講座では、自由大学代表の馬頭(ばとう)忠治さん(鹿児島国際大学教授)がファシリテーターを務め、「古書店経営に関する地域の課題」について、小村さんや他の古書店経営者などと質疑が交わされ、「私蔵の古書を地域に循環させることができる触媒としての機能を持つことが今後、古書店に必要となるのでは」という意見も出された。

 かごしま自由大学は、2002年国連総会で採択された持続可能な開発教育ESDの一翼を担い、ユネスコスクールの一員として活動できることを目標にしている。馬頭さんは「誰もが参加でき、出会い、それぞれの経験を学び合って新しい知を発見し、自分の価値を自分自身で創り出していくためのさまざまな講座をこれからも展開していきたい」と抱負を語る。

 次回開催は3月17日。テーマは「心の力をつくる」講師に東瀬戸サダエさん(歌人)、森越まやさん(精神科医)、川畑善博さん(精神保健福祉士)を迎え、47年間精神病と向き合った歌人と、臨床の現場で働く医療従事者が心の健康について語り合う。開催時間は14時~16時。参加費は500円(資料代として)。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース