鹿児島・天文館のギャラリー「游(ゆう)」(鹿児島市山之口町)で11月2日、村山あゆみさんの個展「カルミン」が始まった。
村山さんは、昨年アミュプラザ鹿児島で行われた「ナマ・イキVOICE アートマーケット」で「アミュプラザ鹿児島賞」「審査員特別賞」を受賞したグループのリーダーだった。アクリル画材に色鉛筆を合わせ、柔らかく「ふわり」としたタッチの作風。会場にはイラストを中心に、今まで撮りためていた写真の切り抜きとのコラージュ作品約20点を展示している。
村山さんは現在、医療関係の職場で働く事務員。「絵を描くのが好きで、いわゆるクラスに1人はいた絵がうまい子。母いわく、2歳のころから描いていた。漫画家になりたいと思ったこともある」と話す。個展名の「カルミン」は、村山さんが小さいころ、おばあちゃんにもらってよく食べていたという駄菓子の名前。「小さいころから絵を描くのが大好きだった、その気持ちを大事にしたい」と展名に付けた。
昨年の受賞後、「プレッシャーを感じてしまい、一時スランプ気味になった」と村山さん。それでも今年のアートマーケットに応募してみたものの選考から外れた。「思い通りに表現できなかった。(昨年受賞したという)甘えもあったかもしれない」と振り返る。選考から外れたことで、気持ちを個展へ切り替えた村山さん。ギャラリーを見学しに行った先で知り合いつながった人たちが、昨年の自分たちの作品を知ってくれていた。「温かい言葉を頂いた」という。今年のアートマーケットも見に行き、「あらためて受賞したことを実感した。自信が出てきて、ここで完全に気持ちが切り替わった」と笑顔で話す。
アートマーケットの開催は今年の6月。仕事をこなしながら一人黙々と制作に打ち込んだ。個展の初日を迎え、「個展を開くのは自己満足。形になって、見てもらって、初めて完成する」と村山さん。「絵や写真を見てくださる方が笑顔になってくれればうれしい」とも。
営業時間は11時~19時。入場無料。今月6日まで。