1963(昭和38)年に開業した城山観光ホテル(鹿児島市新照院町、TEL 099-224-2211)が、3月で50周年を迎えた。京セラ株式会社の稲盛和夫名誉会長を迎えた記念講演会は県内外から約1000人を集め盛大に行われた。今後、50周年を記念した特別プランやイベントなどを多数用意する。
「50年前、新婚旅行のメッカだった」という南国鹿児島に、もう一度夫婦で訪れてほしいと企画された宿泊プラン「もう一度ハネムーン」は、50年の間に新婚旅行などで鹿児島を訪れた人に向けた。結婚記念日などに合わせて利用する熟年夫婦に、思い出の地での写真撮影や当時の新聞をプレゼントしたり、「思い出ナビゲーター」がコンシェルジュとして滞在を演出したりするなどのサービスを提供。夫から妻へ、子どもから両親へのプレゼントに利用されているという。
「幸せを、かさねていける場所」という50周年のコンセプトには「人々の一生涯に渡り、節目を祝うだけでなく、親子3世代など後世においても節目を祝い、またその節目を機に人と人が絆と幸せを共有するという、さまざまな思いを込めている」と話すのは、代表取締役社長の伊牟田均氏。生涯にわたり節目を祝うイベントごとに提案を行う「家族営業課」があり、親子3世代でブライダルを利用する流れもあるなど、親から子へファン層が引き継がれているという。
50年前の、白い3階建てのホテルの前で撮った白黒写真を持ってくる夫婦もいるという。開業以来の固定客が離れない理由について、伊牟田氏は「開業当初から、スタッフが人とのつながり、絆を大事にしてきた」ことを挙げる。「今後も鹿児島の人に必要とされる存在であり続けるために、思いやりの心で文化や伝統を継いでいきたい」とも。
ほかに、2014年の桜島大正噴火100周年と合わせた、桜島体験ツアー付き宿泊プランや、新日本航空の協賛で、全国でも珍しい空港を起点としたチャーター便の就航サービス「鹿児島空中散歩」のプランを用意する。ウェディングのオプショナルツアーとして、抽選で50組カップル限定プレゼントも。海路や陸路の巡回ツアーに加えて、今後は空の旅が増えることも予想される。情報と文化の発信地として、県内外に加え海外へのアプローチも行う同ホテル。伊牟田氏は「観光の一翼を担う立場として、鹿児島の自然や景観、温泉、食、伝統ある文化や歴史などの魅力を『点』ではなく『面』として売り込んでいきたい」と締めくくった。
料金は、宿泊プラン「もう一度ハネムーン」=37000円~(2名1室1泊2食付)、桜島体験ツアー付きプラン=12900円~(2~4名1室1泊2食付)など(いずれも1人あたりの料金)。詳細はホームページで確認できる。