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「キホシスズメダイ」実は新種だった-鹿児島県漁連の男性が論文で証明

キホシスズメダイの標本。色素が抜けているため黒くなっているが、本来はうろこは銀色で尾ひれが黄色い。

キホシスズメダイの標本。色素が抜けているため黒くなっているが、本来はうろこは銀色で尾ひれが黄色い。

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 鹿児島県漁連に勤務する岩坪洸樹さんが、奄美群島などに生息する魚「キホシスズメダイ」が実は新種だったことを論文で正式に発表。学名を「クロミス・ヤマカワアイ」と名付け話題になっている。

鹿児島県漁連の岩坪さん

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 岩坪さんは鹿児島大学在学中にスズメダイに関する研究を行っており、1960(昭和35)年に「キホシスズメダイ」が発表された際に元となった魚の標本が「スズメダイ」のものであったことを発見。約4年の研究を経て、2013年2月に同大教授の本村浩之さんと共同で論文を発表。同年11月に日本動物分類学会の会報誌「スピーシーズダイバーシティ」に掲載され、正式に証明された。

 「クロミス・クロカワアイ」という名は「クロミス」がスズメダイ属性であることを意味し、「ヤマカワ」は岩坪さんの研究の協力者だというスズメダイ研究者・山川武さんの名前から取った。「アイ」はラテン語で男性を意味する。

 論文は21ページから成り、35文献が用いられた。岩坪さんは「オーストラリア近海に生息し、同じ祖先から進化を遂げたと推測される『クロミス・ケンネンシス』との違いを証明するために、ウロコなどの5つの細かな違いを示すことが大変だった」と振り返る。現在も週に数回鹿児島大学に足を運び、研究を続けている。

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