天文館・照国表参道に構想から足かけ5年をかけて新しいアーケードが完成し、10日余りがたった。関係者からは「目に見えて通行量が増えたようだ」という声が上がっている。
今回アーケードが延長したのは、御着屋交番から中央公園(テンパーク)までの約130メートルの区間。白を基調に、照国神社の鳥居をモチーフにした重厚感あるデザインに仕上がった。雨や灰が降った時も傘を差さずに済むため、買い物客の利便性が向上するほか、照明や防犯カメラが増えたことで夜間の防犯対策も強化。いづろと天文館地区を分ける通りであることから、双方を行き交う人々が増加することも期待されている。
通りで20年以上営業する靴店「Hush Puppies(ハッシュパピー)」の店員は、「雨の日は映画館から天文館公園地下駐車場への地下通路を歩く人がほとんどだったが、アーケードができてから通りを歩く人が増えた」と話す。美容室「haco(ハコ)」の久保田準さんは「これまでは西日が強くて植物が育ちにくかった。これからは植物も増やしてお客さまを楽しくお迎えしたい」とアーケードの完成を喜んだ。
「おしゃべり歩き・オープンテラス照国表参道」をコンセプトにショッピングモール化した同通りは、複合映画館「天文館シネマパラダイス」をはじめ、楽器CD販売の十字屋、ジュンク堂書店など、芸術や文化に触れることができる店舗が100店舗ほど集まる。また、城山町の博物館や美術館、図書館、歴史資料センター黎明(れいめい)館などとも程近い。
中央地区商店街振興組合連合会の俣野公宏さんは、「城山町の文化施設との結束地点として、天文館のにぎわいに一役買ってほしい」と期待を寄せる。照国表参道商店街振興組合理事長で、天文館シネマパラダイスの社長・有馬勝正さんは「毎月10日は『テンテルday』として、各店がお得な企画を多数用意している。ぜひ足を運んでいただきたい」と呼び掛ける。