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天文館に手仕事品を扱う雑貨店「てぬか」-脱サラ・移動展示を経て開業

店内の様子。九州を中心に全国の様々な手仕事品が並ぶ。

店内の様子。九州を中心に全国の様々な手仕事品が並ぶ。

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 鹿児島・天文館に手仕事品などを扱う雑貨店「てぬか」(鹿児島市中町、TEL 099-224-4700)がオープンして1カ月が過ぎた。オープンは4月12日。

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 店主のマキノユウイチさんはもともとサラリーマンだったが、時間があいた時にギャラリーなどに足を運び、作り手たちと交流を深めていった。木工家の黒田辰秋さんの影響も受け、自身も木工のカトラリーなどを制作するようになった。

 2年ほど前に体調を崩し仕事を辞めたことをきっかけに、昨年4月から「てぬか」の屋号で活動を始めた。「てぬか」とは沖縄の方言「手ぬ花」(てぬーばな)に由来したもので、「手仕事から生まれた美しいもの」を意味する。マキノさん自身は「ひっそりとしているが、いつまでも見ていられるもの」に美しさを感じ、実際に手に取ったときの素材や形、重さなどの「質感」を大事にしているという。

 この1年は月一回ほどのペースで、カフェやギャラリーなどで移動展示を行っていたが、使い手にも質感をより大事にしてほしいと、店舗オープンに至った。熊本・小代焼の井上尚之さんのスリップウエアなど、九州を中心にした「作り手の顔が見える」道具や器、自身が制作した木工のカトラリーなどを販売する。「その道具のもつ美しさは使い手によって変わるもの。店を旅立った品が使い手の下で、また別の美しさを醸し出してくれれば」とマキノさん。

 鹿児島のものづくりに関して、マキノさんは「組みもの、編みもの、竹細工などは後継者育成を行う機関がうまく機能していない」と危惧を抱く一方、「焼き物に関しては、30~40代の若手の面白い作家も出てきている」と期待をのぞかせる。今後は、「日野明子さんのような『一人問屋』になり、作り手と使い手をつなぐ役割を担えれば」と意欲を見せる。

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