小惑星探査機「はやぶさ2」が打ち上げられる11月30日、鹿児島市立科学館(鹿児島市鴨池2、TEL 099-250-8511)と天文館宇宙情報館(東千石町、TEL 099-222-8778)で、打ち上げの模様を生中継するパブリックビューイングが行われる。
日本中が注目した小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡の帰還から4年半。そのミッションを引き継ぐ「はやぶさ2」が、種子島宇宙センターからH-2Aロケット26号機に搭載され打ち上げられる。
「はやぶさ」は世界で初めて小惑星イトカワのサンプルを持ち帰り、後に分析が進められた結果、太陽系の形成の歴史に迫る貴重な発見があった。「はやぶさ2」が向かう小惑星「1999 JU3」は、生命の起源である有機物や水を含むと考えられており、そのサンプルを持ち帰ることが「はやぶさ2」のミッション。太陽系や生命誕生の謎を解明することにつながるのではと期待されている。
打ち上げ予定時刻は、13時24分48秒。両館では2部に分けてイベントを開催。第1部は12時30分~13時45分、「はやぶさ2」や鹿児島大学も開発に関わった「しんえん2」を含む相乗り小型副ペイロードを紹介するビデオを鑑賞した後、準備状況・ロケット打ち上げの瞬間・打ち上げ後をインターネット中継。第2部は15時~15時30分、H-2Aロケットからの「はやぶさ2」分離前後を中継する。科学館では、天気が良ければ3階外庭から、ロケットが打ち上がる様子を肉眼でも観測するという。
「みんなで一緒に『はやぶさ2』を応援しよう」と科学館天文指導員の石原寛信さん。館内の宇宙劇場では1日3回、プラネタリウム「HAYABUSA2~RETURN TO THE UNIVERSE~」を上映中。毎週土曜は「HAYABUSA~BACK TO THE EARTH~」も観覧無料で特別上映している。
宇宙情報館では当日、先着順で「はやぶさ2」応援キャンペーンステッカーを来館者に進呈。「はやぶさ」「はやぶさ2」のグッズコーナーも充実させている。同館の新小倉由華さんは「現地の宿泊施設や交通機関などが予約でいっぱいのため、当館を利用される方もいらっしゃる。ぜひ来館いただければ」と呼び掛ける。
両館とも参加無料、申し込み不要(科学館は入館料が必要)。
(追記)
11月28日現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、天候不順が予想されることから打ち上げを12月1日以降に延期することを発表。(打ち上げ日は今後の天候状況などを踏まえ、決定し次第発表するとしている。)それにともない、市立科学館・宇宙情報館におけるイベントも延期が決定。