鹿児島のまちの魅力を紹介する「USK(アーバン・ステーション・カゴシマ、以下USK)」社会実験が11月1日、鹿児島市内の3つのエリアで始まった。
今年春、回遊性を高めるため東京大学の学生らが鹿児島市に提出した「鹿児島の潜在力:まち巡りへの65の提案」に基づいて行われているもので、「かごしまコミュニティサイクルecoちゃり」に続く社会実験となる。
今回は、鹿児島市の中心である天文館のすぐ外側にも目を向けてもらおうと、市役所や天文館を走る市電のすぐ外側にある「広馬場通り」と「名山町」に着目し、隠れたまちの魅力を紹介している。鹿児島市、東京大学、鹿児島大学、鹿児島国際大学が協働。USK会場は、マルヤガーデンズ(鹿児島市呉服町)、鹿児島銀行本店周辺(金生町)、ギャラリー「レトロフト」「三街区ギャラリー」(名山町)。
今でこそ「都市のフリンジ(周辺)」と言われるこの同エリアだが、明治~大正時代にかけては老舗や銀行・証券などの金融機関が多く立ち並ぶ鹿児島のメーンストリートと中心街だった。市電がメーンストリートの一本西側に敷設されたことをきっかけに、人の流れは広場場通りから現在の市電通りに移っていく。
マルヤガーデンズ4階では、3.5メートル四方の航空写真で天文館周辺の「ガリバーマップ」や名山町の写真・パネルを使って「広馬場通り」を紹介したり雰囲気を再現したりするほか、窓ガラスに自分がよく行く場所を自由に書き込める巨大な地図を用意。鹿児島銀行周辺では、「広馬場通り」と桜島に向かって延びる「通り」を立体模型で紹介するほか、「広馬場通り」がメーンストリートだったころの名残である鹿児島銀行の旧頭取室(本店別館)を一般公開している(10時~17時)。名山町のギャラリーでは、室内展示で名山町の今と昔を紹介する。
「書き込める地図は最終日にどうなっているかが楽しみ。今回のUSKで紹介している鹿児島は、地元の方も、特に若い世代は意外と知らないもの。知れば知るほど鹿児島を好きになると思う。地元の方にもっと街の潜在力を見つけてほしい。街を見つめ直すための最初の触媒になれれば」と東京大学の学生らと特別教授の黒瀬武史さん。
みなと大通り公園噴水前(名山町、易居町)では5日、「カゴシマでディープに遊ぶ」をテーマにトークセッション&まち歩きを予定している(16時~18時)。出演者は、木方十根さん(鹿児島大学大学院准教授)と東川隆太郎さん(NPO法人 まちづくり地域フォーラム・かごしま探検の会代表理事)を予定。
11月6日まで。