かごしま水族館に珍魚「ユウダチスダレダイ」-展示開始も餌食べず危機

日本初展示となった「ユウダチスダレダイ」。東南アジアでは食用魚として一般的な魚。

日本初展示となった「ユウダチスダレダイ」。東南アジアでは食用魚として一般的な魚。

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 「いおワールド かごしま水族館」(鹿児島市本港新町、TEL 099‐226‐2233)で現在、昨年11月に鹿児島市笠沙(かささ)町の定置網で捕獲された「ユウダチスダレダイ」を展示している。

かごしま水族館の珍魚に危機

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 ユウダチスダレダイ(スズキ目スダレダイ化スダレダイ属)は主に東南アジアの沿岸に生息する魚。現地では食用魚として一般的だが、日本では目撃報告例が1件(沖縄)のみで、実物展示は日本で初となる。

 昨年11月18日に捕獲された後、「見たことない珍魚」として同館に寄贈されたユウダチスダレダイは、全長が30センチほどの成体(最大で50センチほどになる)。同館では12月22日から展示を始めたが、捕獲後、2カ月近くたつ現在も一切餌を食べていない。

 比較的浅い砂泥底に生息し、口が下方に伸び、(現地では)ゴカイ類を餌に釣れることもあるため、海底の生物を餌にしていると考えられる。「オキアミ、ゴカイ類、刺し身、ペレット(粒状の餌)など、考えられるものは全て試したが駄目だった。なかなか心を開いてくれない」と同館展示課の中畑勝見さん。「沿岸域に生息するので、海を渡って発見されることは不思議なこと。潮の流れで流された卵や稚魚が、温暖化の影響でたまたま生き延びたのかも…」とも。

 全く警戒心を解かないことに対し、「餌を食べないと傷の治りも遅かったりヒレが欠けたりと、標本としての価値が下がってしまう。それよりも今、飼育員としては餌を食べて何とか生きてほしい」と複雑な心境を明かす。

 開館時間は9時30分~18時。入館料は、一般=1,500円、小・中学生=750円、4歳以上=350円。

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