お気に入りの一冊の本を参加者に紹介し、その魅力を伝える能力を競う書評合戦「ビブリオバトル」が1月21日、アミュプラザ鹿児島(鹿児島市中央町)で開かれる。
2007年に立命館大学の谷口忠大准教授が活字離れを食い止めようと考案したビブリオバトル。発表者が自分の好きな本を限られた時間内で紹介した後、どの本を一番読みたくなったかを参加者全員が投票し、チャンプ本を決める。これまでの読書会や書評会とは一味違う「本を使ったスポーツ」とも呼ばれ、読者同士の緩やかなコミュニティーが全国的な広がりを見せている。鹿児島でも昨年、鹿児島国際大学(坂之上)に「ビブリオバトルかごしま」が結成された。
今年初の開催となる今回は、同大と紀伊國屋書店(中央町)が共催するイベント「こくさいAMUキャンパス@紀伊國屋書店」の一環として行われる。
第1部のトークライブでは、同大の井上和枝教授が「知られざる韓国と鹿児島-朝鮮王妃暗殺とその後」と題し、朝鮮王朝26代高宗(こうそう)のきさきであった閔妃(ミンピ)が、日本人らによって暗殺された乙未(いつび)事変と、その事件に加担した禹範善(ウ・ボムソン)一族の鹿児島とのつながりをひもとく。
第2部の「ビブリオバトル」では、昨年10月30日に東京・秋葉原で開かれた「ビブリオバトル首都決戦2011」鹿児島代表の野間和奏さん(同大国際文化学部3年)、小林潤司さん(同大副学長)、小野原康行さん(同大就業力育成プロジェクト室)、長島慧史さん(紀伊國屋書店鹿児島営業所)の4人が、それぞれ自慢の一冊を紹介。ディスカッションを経て、参加者全員の投票で「チャンプ本」を決める。
発表者の一人、長島さんは「本屋に勤める者として他の発表者たちに負けるわけにはいかない」と意気込みを見せる。「本を通じて人を知り、人を通じて本と出会える機会になれば」とも。
開催時間は14時~16時。入場無料。