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鹿児島の皮具店が作る復刻版「車掌かばん」、人気に-市電100周年で企画

「丸山皮具店」2代目の橋口康隆さん。写真右側の車掌カバンが「復刻版」。左は鉄道会社に納めている通常の車掌カバン。

「丸山皮具店」2代目の橋口康隆さん。写真右側の車掌カバンが「復刻版」。左は鉄道会社に納めている通常の車掌カバン。

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 鹿児島・谷山電停そばにある「丸山皮具店」(鹿児島市東谷山、TEL 099-268-3559)が作る「車掌かばん」が人気を集めている。

内ポケットには「鹿児島市交通局」の印と「100」の刻印入り

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 1947(昭和22)年に皮革製品製造修理店として開業した同店。現在は2代目である橋口康隆さんが跡を継ぎ、主に電力・通信会社に帆布生地の作業・工事用バッグなどを納品しているほか、福岡・広島・岡山・愛媛などの鉄道会社の車掌かばんを製造している。今回の「復刻版」は、鹿児島市に市電(路面電車)が走り始めて12月1日で100周年を迎えることを受け、鹿児島市交通局(高麗町)が同店に依頼したもの。

 鹿児島市では1967(昭和42)年にワンマン車両が登場して以降は、料金を箱に入れるようになるなど車掌と直接やり取りすることがなくなったため、通常運転で車掌かばんを使うことは無くなった。交通局の資料館に保管していた当時のかばんから橋口さんが型紙に起こし、昔ながらの手作り製法で「鹿児島市交通局車掌かばん(復刻版)」としてよみがえらせた。

 ホームページに自社製品として車掌かばんを載せると「(多分)鉄道マニアの方からの注文が、ポツリポツリと来るようになった」と橋口さん。カラーバリエーションも増え(5色、2万9,400円)、通販雑誌や旅雑誌に定期的に載るようになると、一気に全国からの注文が増えたという。「車掌かばんは電鉄会社に納めるのが普通で、今こうして全国の方から注文を頂くのは予想外でもあり光栄なこと」と橋口さん。

 かばん作りは、皮切り包丁で一つ一つ生地を裁断し、生地を縫うも足踏み式ミシンを使う。昔ながらの方法で製造するのがポリシーだという。「手作りでコツコツ進めていくので、数カ月待ちになってしまうが、だからと言って機械を入れるつもりはない。今まで通りの手法を守っていきたい」とも。

 復刻版は、100周年に合わせ限定100個を完全受注生産。内ポケットに鹿児島市交通局の社章と100周年を表す「100」の刻印、口金の右上にシリアルナンバーが入る。サイズは、縦17.5×横23×幅7(センチ)。価格は1万8,900円。同店と交通局で注文できる。来年1月末まで受け付ける。

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