鹿児島のバーチャルアイドル「天音サクラ」の誕生祭企画としてNPO法人鹿児島サブカルチャー研究所「STYLE Project」が8月1日から、動画、イラスト、漫画などを募集する。
紫の髪に、桜をイメージしたリボン付きの赤いカチューシャ、エメラルドグリーンの瞳はたれ目気味。ミニ丈のワンピースに黒のニーハイソックス、左腕には320(さつま)の文字。鹿児島のバーチャルアイドル「天音サクラ」には細部にまでこだわりが見られる。
同NPO代表理事の長濵歩さんは当初、ボーカロイド「初音ミク」を鹿児島の活性化に使えないかと考え、クリプトン・フューチャー・メディア(北海道札幌市)とやりとりを重ねるも断念。悩んだ末、「自分たちで制作すればいい」と思い立った。「初音ミク」で有名な音声合成ソフト「VOCALOID」以外にも、フリーで利用できる「音声合成ソフトウェアUTAU」(ユーザーの声を採取し、歌唱させるソフト)、「MMD」(3Dアニメ―ションを制作できるソフト)など、現在はさまざまなクリエートツールが存在している。それらを駆使して、バーチャルアイドル「天音サクラ」を多くの人の協力を得て作り上げた。
「VOCALOID」「音声合成ソフトウェアUTAU」「MMD」に関わるクリエーター同士の交流や支援を通じ、魅力ある鹿児島の地域活性化を目指しているという「STYLE Project」。2012年8月1日は、その第一線で活躍することになる「天音サクラ」の「声」が配布された日=誕生日となった。
津曲学園鹿児島高校公認キャラクター「鹿音望夢(ろくねのぞむ)」の制作などにも関わり、現在は新たな男性キャラクター「IO(イオ)」も制作中。今後は「天音サクラ」を「UTAU」から「VOCALOID」に展開できないか模索していくという。資金面など課題はさまざまだが、クリエーターの企画から生まれたVOCALOIDもあることからチャンスを窺う。
「『ご当地』ではなく『From鹿児島』にこだわりたい。全世界、日本中どこにいても仕事や活動はできる情報化社会の中で、ご当地という枠に収まりたくない、地方鹿児島から発信したい」と長濵さん。「この機会に『天音サクラ』を知った方々もぜひ、セカンドアニバーサリー企画に参加いただければ」と呼び掛ける。
作品の募集締め切りは8月31日23時59分。応募方法などはホームページで確認できる。