「豆腐の日」の10月2日、甑島の豆腐店「山下商店」がマルヤガーデンズ(鹿児島市呉服町)地下1階に直売所をオープンした。県本土初の常設店。
約11平方メートルの店内に、毎朝甑島から直送される出来たての豆腐を並べる同店。九州産大豆フクユタカと、ミネラル豊富な海水にがりを100%使って早朝2時から手作りされる豆腐は、「大豆本来の風味と柔らかい食感」が特徴。
オープン初日は朝一番から豆腐を求めて次々と来店客の姿が見られた。中にはまとめ買いする客も。早速「濃厚よせ豆腐」を購入した客は「ここの豆腐の大ファン。これからはすぐ近くで買うことができるのがうれしい」と喜ぶ。
「山下商店というブランドを通じて、甑島のことをよりよく知ってもらうための場をつくりたかった」と話すのは、同店を運営する「東シナ海の小さな島ブランド」の山下賢太社長。24歳で島にUターンし、「百姓」として米作りを始めると同時に起業した。3年目に入り、Uターン・Iターン者など仲間も増え、会社は活動の幅を広げている。
甑島本店では、ワークショップイベントの開催や、店をフードバーに仕立てた「シマバル」の営業など、島に人を呼び込んだり、観光客と島民とが交流したりできる場を創出。地元住民だけでなく、全国からも観光客が訪れる島内で有名なスポットになった。島外においても、イベントや百貨店などへ積極的に出店し知名度を上げる。
「あくまで豆腐を売ることは目的ではなく、豆腐を通じた人と人、人と地域のコミュニケーションを目的にしていきたい」と話す山下社長。「私たちの一日一日の成長を、豆腐片手に楽しんでいただければ」と来店を呼び掛ける。「ますます人口が減少していくであろう地域の未来を考えるにあたり、島の内側だけで考えるのではなく、島の外にいる出身者らの思いを内側につないでいく役割を担っていこうと思っている」とも。
取扱商品は、「もめん豆腐400グラム」(240円)、「もめん豆腐500グラム」(330円)、「絹ごし豆腐500グラム」(330円)、「濃厚よせ豆腐350グラム」(420円)、「雪花菜(おから)300グラム」 (180円)。そのほか、同店で人気の「とうふ屋さんの大豆バター90グラム」(580円)、「太陽のきびなごオリーブオイル漬け120グラム」(750円)、「甑島のうにみそ90グラム」(980円)も。
営業時間は10時~20時。売り切れ次第終了。ただし天候などにより入荷がない、または遅れることもあり。問い合わせは甑島本店(TEL 09969-3-2212)まで。