昼時には満席状態が続く坂之上町のラーメン店「薩摩思無邪(しむじゃ)」が昨年末、マイアミ通り沿いに2号店(鹿児島市堀江町、TEL 099-227-0250)を開いた。
店舗面積は約82平方メートルで、席数はテーブル12席、カウンター11席の計23席。30~40代の女性や家族連れでも気軽に利用できる店を目指す。
看板ラーメンの「薩摩」は、とんこつスープに鹿児島の「かねよ醤油(しょうゆ)」を合わせた「こっさり」系で、中太ちぢれ麺。「博多」は、福岡の「上久醤油」を合わせたとんこつスープで、細麺を使う。「鹿児島一の博多ラーメン」と評価する客もいるほど。提供直前にこんがりとあぶったチャーシュー、モヤシ、青ネギ、キクラゲをのせる。
書道家・井之上南岳(なんがく)さんによる、島津斉彬(なりあきら)公の座右の銘「思無邪」=「思いよこしま無し」の書を壁に掲げ、「妥協を一切しない、常に挑戦を恐れない」というおとこ気あふれる店主・前村敬一さんのもと、1杯のラーメンにこだわる同店。
荒木陶窯(日置市)に特注する薩摩焼の器に、前村さんが勤めていた福岡の人気ラーメン店「博多一風堂」の製麺会社が作る同店オリジナルの麺、おりた園(南九州市知覧町)の無農薬有機栽培の水出し茶などは、いずれも前村さんがほれ込む名手によるもの。「関わってくださる方の思いも、ラーメンを通してきちんと伝えていきたい」と前村さん。
数年後の海外展開も視野に入れる。マイアミ通りに出店したのは、鹿児島市が姉妹都市盟約を結ぶ米フロリダ州マイアミ市への出店を見込むため。「ラーメンに薩摩の文化をのせて、食の交流が図れれば」と意気込む。
ラーメンは「薩摩」「博多」(以上650円)、替え玉(100円)。トッピングはネギ、煮卵、ゴボウ(以上100円)、チャーシュー(200円)。伊佐米を使ったご飯(100円)も。
営業時間は11時~15時、18時~22時。
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