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鹿児島・天文館地区に「リヤカー女子」現る-全国の特産品を販売

「リアカー女子」の武末さん。麦わら帽子がトレードマーク

「リアカー女子」の武末さん。麦わら帽子がトレードマーク

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 鹿児島・天文館地区や鹿児島中央駅周辺に5月末から「リヤカー女子」が現れ、話題を集めている。

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 リヤカー女子の正体は「FAITH(フェイス)」(鹿児島市平之町)の武末文香さん。「あじ祭(さい)」の屋号を掲げ、麦わら帽子にポロシャツ姿で、昔の豆腐屋をほうふつとさせる鈴を鳴らしながら、オレンジ色のリヤカーを引いている。リヤカーでは、京都・豊寿庵の塩大福(3個入り、560円)など、全国各地のスイーツを販売する。

 フェイスは2009年に福岡で設立。社長の元松香織さんは、福岡の大手アパレルショップに勤めていたが、バイヤー業を学ぶために福岡で輸入業を営む会社に転職。社長の影響を受け独立志向が高まり、約2年間の下積みを経て独立。昨年、法人化した。全線開通した新幹線効果を狙い、鹿児島に今年2月に進出。現在の従業員は10人。鹿児島では食品を取り扱う。商品は「全国各地の地場で頑張っている会社」を基準に元松さん自らが探す。「昔ながらのものづくりに長(た)けているが、PRが苦手な会社と契約することで、双方にとってウィン-ウィンの関係になる」ことも心掛ける。

 鹿児島では初め、事務所や住宅などへのスイーツの訪問販売に取り組んだ。「物産展でしか買えないようなものを直接見てもらいたかった」と元松さん。1カ月で鹿児島市全体を回るペースで展開。初めは相手にしてもらえないことも多かったが、徐々に反応が良くなってきた。訪問販売で得た利益で、これまで温めてきた新しいスタイルの販売方法として、リヤカーでの移動スイーツ販売に乗り出した。近隣で働くサラリーマンや天文館に遊びに来た主婦、観光客などが主なターゲット。現在は、1日平均5万円を売り上げるようになった。今後の課題として、商品ラインアップを増やすことを挙げる。アイスの代わりになるような冷凍商品などを候補にしている。

 「その場でお客さまからの反応があり、一期一会の大切さを感じる」と武末さん。リヤカーの周りには多くの人が集まり会話も弾む。買い物をしていた鹿児島市唐湊で自営業を営む女性は「以前、娘に大福を買ってきてもらい気になっていた。どことなく懐かしさを感じ、若い女性なので声も掛けやすかった。リヤカーだから(同じ場所にいないので)探す楽しみもある」と話す。

 現在はリヤカー1台で天文館や鹿児島中央駅周辺を回っているが、年内に20台導入し、鹿児島市全体を回ることが目標。最終的には「スイーツのデリバリー」を目指し、宮崎や本州にも進出したいという。

 リヤカーでの営業時間は12時~21時。

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