鹿児島が誇るダシの魅力を広めたいと、女子大生がレシピを開発した「出汁茶漬け」が11月3日、城山観光ホテルで行われたイベント「鹿児島出汁文化めぐり」でお披露目された。「出汁の王国・鹿児島プロジェクト推進協議会」主催。
鹿児島女子短期大学生が約1年かけて試行錯誤を重ねた「出汁茶漬け」。料理人・梛木春幸さんの指導や同プロジェクト参加企業などのアドバイスを受けて何度もレシピを改良し、テストマーケティングも実施して完成したという。
イベントでは、7チームのうち最終候補に残った「えびと鶏出汁のタカエビ丸ごとホワイト茶漬け」や「本枯れ出汁の焼きおにぎり茶漬け」などの試食と学生によるプレゼンが行われ、会場投票により「あご出汁の角煮かぶら茶漬け」がグランプリに輝いた。同協議会では今後、レシピをレシピサイト「クックパッド」で公開するほか、飲食店のメニューに取り入れてもらうなどして、新名物としての定着を図りたいとしている。
イベントでは、ダシに関連する事業者や料理人、有識者を交えてのパネルディスカッションも行われた。枕崎カツオマイスターで「出汁男」の異名も持つ中原水産の中原晋司さんをコーディネーターに、だしソムリエ協会代表の鵜飼真妃さん、同大講師の千葉しのぶさん、料理家の梛木春幸さんが登壇。
かつお節や豚、鶏、飛魚(あご)、エビ、シイタケなどダシを取るための食材に恵まれた鹿児島には、その豊富なダシをブレンドして使う食文化が根付いていることや、ダシが体の調子を整えることが紹介されたほか、「日本の食文化が世界から注目を集める今こそ、調味料ではなくダシを使う人口を増やしたい」などの意見が出された。
プロジェクトを振り返りこれからについて、「和食を大切にすること、食べる人のことを思って、工夫して心を込めて作ること、ありがたく感謝して食べることが大事ではないか」と千葉さん。「若い世代には鹿児島の出汁の歴史と文化を学び、それを受け継いでいってほしい」と話した。