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黎明館で仏像展「かごしまの仏たち」 鹿児島の仏像一堂に

「かごしまの仏たち~守り伝える祈りの造形(かたち)~」

「かごしまの仏たち~守り伝える祈りの造形(かたち)~」

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 鹿児島県歴史資料センター黎明館(鹿児島市城山町)で9月28日より、鹿児島で初めての本格的な仏像展となる「かごしまの仏たち~守り伝える祈りの造形(かたち)~」が開かれている。

垂水の「木造勝軍地蔵」(県指定文化財)

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 同展は2015年度より準備を開始。関係者が県内各地を回り、仏像研究の専門家や文化庁へも調査協力を依頼し、明治維新150年を目前にようやく開催に至った。同館主任学芸専門員の切原勇人さんによると「鹿児島県では明治期の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)などにより多くの仏像が失われてしまったため展覧会が開催できるほど集まらないのではないか、という意見が多かった」という。それでも調査を重ね、それぞれの地域で大切にされている個人宅の仏像などにもたどり着いた。

 切原さんは「お寺や個人宅を回った際、見せてすらもらえなかったものもある。多くの仏像は隠し守られてきたようなので、表に出してはならないという先祖代々の教えに従ってのことだろう。痛ましいお姿の仏像もあるが、造られた当時を想像しながら見ていただくとまた違った魅力を感じられると思う」と話す。「県内にはまださまざまな事情により調査できていない仏像もある。離島には珊瑚でできた仏像などがあることも確認しているので、今回の展覧会を機に伝統的な仏像彫刻にも興味を持っていただけたら」とも。

 同展では96点の仏像をそれぞれが造られた時代ごとに1章~4章に分け、仏像の様式や特徴など違いが分かりやすいように展示、ご本尊が動かせないものに関しては写真で紹介している。5章では廃仏毀釈後の仏像修復に携わった、鹿児島市出身の新納忠之介が残した仏像や模造、型抜きした像などを展示している。

 開館時間は9時~18時(入館は17時30分まで)。入場料は、一般=800円、高校・大学生=500円、中学生以下・障害者は無料。月曜休館(祝日の場合は翌日)。

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