鹿児島市の県民交流センター(鹿児島市山下町)2階・中ホールで10月14日、「第10回椋鳩十祭」が開かれる。
「大造じいさんとガン」「マヤの一生」などの作品で知られる児童文学作家・椋鳩十をしのび年に1回開かれている同祭。例年は作品と人にまつわる内容を主とし、中学生による椋作品の感想文の発表や椋に縁のある人物・研究者による講話が行われているが、10回目となる今回は没後30年ということもあり、例年の内容に加え新たな試みとして「詩」にもスポットを当てる。
椋が作詞を手掛けた50校を超える小中高の校歌の中から3校の校歌を在校生や卒業生らが披露するほか、鹿児島女子短期大学の教授を務めていた際ともに教鞭(きょうべん)を執り、同校の名誉教授でもある寺薗玲子さんによるピアノ演奏、同じく教授時代の同僚で椋のデスマスクを制作した溝口守一さんと寺薗さんによる椋とのエピソードの紹介も行われる。
主催の『松風会』事務局長の畠野洋子さんは「椋のスタートは詩であることはあまり知られていない。昭和20年代に椋が行った『農業文庫』などの、読書を通した地域おこしにも通ずるような内容の一風変わった校歌や、田んぼやあぜ道、いろり端といったどこか懐かしい情景が浮かぶ詩を紹介する」と話す。「椋の詩には日本人の心に訴えかけるような作品が多い。この機会に児童文学だけでなく詩の世界にも触れてもらいたい」とも。
開催時間は13時30分~16時。入場無料。