かごしま水族館のジンベエザメが代替わり-6代目「ユウユウ」襲名

かごしま水族館に6代目「ユウユウ」が登場。歓迎セレモニーが行われた。

かごしま水族館に6代目「ユウユウ」が登場。歓迎セレモニーが行われた。

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 「いおワールド かごしま水族館」(鹿児島市本港新町、TEL 099-226-2233)の黒潮大水槽で人気ナンバーワンのジンベエザメ、5代目「ユウユウ」が8月22日に引退し、翌23日に6代目となるジンベエザメが登場。6代目「ユウユウ」の歓迎セレモニーが行われた。

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 23日早朝に5代目「ユウユウ」を専用の輸送コンテナ「じんべえ丸」に載せて水族館を出発したトレーラーは、13時30分ごろ、無事6代目「ユウユウ」を載せて水族館に到着した。全長3.7メートル、雄のジンベエザメ。水中に2人、トレーラーの荷台に3人の人員を配置し、トランシーバーでやり取りする万全の体制で搬送に臨んだ。同行していた館長の荻野洸太郎さんは「搬送中のコンテナ内が心配だった。中は狭いので(溶存)酸素量は大丈夫か、暴れることで水質が悪くなっていないか、(心配は)尽きることは無かった」と、搬送時の心境を明かす。

 黒潮大水槽のバックヤードに直結しているクレーンで「じんべえ丸」ごとつり上げ、そのまま大水槽内に「じんべえ丸」が沈むと歓迎セレモニーが始まった。6代目「ユウユウ」は、7月15日に開聞岳(鹿児島県指宿市)の麓にある「かいゑい漁協」の定置網で捕獲され、翌16日には海上いけすに移され保護されていたこと、その後、与えられるエサを食べるなど良好な様子だったことなど、これまでの経過を荻野さんが報告。「ユウユウ」が職員と一緒に黒潮大水槽内に泳ぎ出ると、セレモニーに駆け付けた約500人の観客から一斉に歓声が上がった。

 セレモニーに参加していた紫原保育園(紫原4)の園児ら約40人から「こんにちはユウユウ、かごしま水族館へようこそ。みんな待ってたよ。仲良くしようね」と声を掛けると、「初めまして。これからどうぞよろしくね」とメッセージが返される場面も。

 雄の5代目「ユウユウ」が2009年8月に「いおワールド」に来たときの全長は3.8メートル。搬出時には全長4.93メートルだった。6代目「ユウユウ」は全長3.7メートルの雄で「5代目に比べると細長くおとなしい感じ」と荻野さん。5代目は海上いけすで野生復帰のトレーニングを行った後、GPS発信機を胸ビレに付けて(数カ月ではく離する)自然の海へ放流される予定。

 セレモニー終了後からは、水槽内の回遊速度や1分間に振る尾ビレの回数、水底や壁を擦った時間など、職員による経過観察が5分おきに行われた。「ユウユウ」が新しい環境に慣れるまで日夜を通して行われる。

 ジンベエザメは1年で50センチほど大きくなると考えられていることから、(海に比べて狭い)水槽では最後まで飼育することができないこと、搬送できるのは全長5メートルほどまでが限度であること、そしてかごしま水族館のスタンスである『海からの借りもの』(ある程度成長したら海へ返す)という考え方。この『かごしま方式』に基づいて定期的に入れ替えが行われることになる。

 荻野さんは「日本人は魚食民族だが、水族館に来るともっと親しみを感じられると思う。心配は無くならないが、早く環境に慣れて早く黒潮大水槽の主になってほしい」と話す。

 開館時間は9時30分~18時。入館料は、一般=1,500円、小・中学生=750円、幼児=350円。

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