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薩摩切子の美術装飾置き時計 霧島のガラス工房が製作に関わる

「薩摩切子時計 RHG-S85」

「薩摩切子時計 RHG-S85」

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 霧島市で薩摩切子を制作する「美の匠 ガラス工房 弟子丸」(霧島市国分清水)が現在、薩摩切子を使った美術装飾時計「薩摩切子時計 RHG-S85」の製作に関わっている。

薩摩切子時計を制作中の弟子丸努さん

 時計は、置き時計・掛け時計などの精密機械製造を手掛けるリズム時計工業(埼玉県さいたま市)の創立70周年記念モデルで、価格は150万円。

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 薩摩切子部分を担当した同工房代表の切子師・弟子丸努さんは「薩摩切子で時計を作るのは初めての試みで、加工と磨きの工程を踏むため完成までに1台あたり3日間かかる」と話す。特に時計は時刻を正しく伝える必要があるため、「模様がずれないよう正確に作ることが大変だった」と言う。

 元々ものづくりに興味があった弟子丸さん。高校卒業を前に、当時120年間途絶えていた薩摩切子を島津本家が復元し、薩摩ガラス工芸(現在の島津興業)で切子師の募集があることを知る。弟子丸さんの高校卒業と120年ぶりに薩摩切子が復元される年が重なる「偶然の出合い」だった。以降、弟子丸さんは第1期生の切子師として薩摩切子の発展に第一線で携わってきた。

 独立後は「他の工房とは違うものを作りたい」という思いで、ガラス廃材をアクセサリーに再利用する「エコキリ」を始めた。薩摩切子を出品するには厳しい検査に通る必要があり、約半数は気泡や厚みなどの理由で廃棄されるという。「もったいない」と感じた弟子丸さんは、廃棄になった器の生地を再利用し、コストを抑えたアクセサリーを作ることを発案。「従来のターゲットは富裕層だったが、エコキリによってより多くの人に薩摩切子を手に取ってもらえるようになった」と手応えを話す。

 弟子丸さんの座右の銘は「炉火純青(ろかじゅんせい)」。炎は温度が最高点に達すると赤色から青色に変化するように、技術や芸術が最高の域に達するという意味の言葉だ。新型コロナの影響で職人展などの県外イベントが全て中止になり厳しい状況が続くが、弟子丸さんは「これまでにないジャンルの新しい薩摩切子を作りたい」と前を向く。

 薩摩切子は復元して35年。しかし海外に持っていくと「ノーブランドなのに高い」と苦言を呈されることもあるという。弟子丸さんは「自分たちの世代や次の世代でもいいのでガラスと言えば薩摩切子と言われるほどに薩摩切子を世界に広めたい」と話す。

 工房の営業時間は9時30分~18時。日曜定休。