地域(球団)が移住志望者(選手)を指名する「九州移住ドラフト会議」が9月20日、「選手募集」を始めた。運営は九州地域間連携推進機構(鹿児島市船津町)。
移住者を受け入れたい地域を「球団」、移住志望者を「選手」と見立て、プロ野球のドラフト会議方式で球団が選手を指名する同イベント。2016(平成28)年に鹿児島で始まり、来年1月23日の「九州移住ドラフト会議2021」で5回目となる。今シーズンは九州全県に山口県下関市も加わった14球団が参加。鹿児島県からはさつま町と、初参加となる南さつま市・枕崎市が加わる。
過去4回を通して138人が参加、約30人が実際に移住した。コロナ禍のため「今年の開催を見送ることも検討したが、テレワークの浸透により地方への関心はむしろ高まっている。オンラインツールを駆使して人と地域をつないでいこうと開催を決めた」と事務局長の中井雄平さん。
11月~1月には「選手」同士の交流を促し、困ったときの対応術などを指導する「移住力強化合宿」を3回にわたって行う。第1回は感染対策をしながら東京で開催予定だが、第2回と第3回はオンラインでの実施を予定。1月に鹿児島で行われる指名会議も「選手」は居住地からオンラインでの参加となる(状況により変更あり)。
過去には「東京で編集者だった人が宮崎県新富町より指名を受け、地域おこし協力隊として移住し、まちの広報誌づくりなどに携わっている例もある」と中井さん。「東京在住の会社員で、宮崎県西臼杵エリアより指名を受け、この地域の名産品を使ったレシピを考案し自身のユーチューブで発信する人もいる。移住したわけではないが、実際に九州と関わって何かを行う機会につながった」とも。
中井さんは「3~5年ぐらいかけて移住を考える人、ただ九州と関わって何かやってみたいという人も歓迎している。鹿児島に住む皆さんも、3球団がこれからSNSなどで情報を発信していくので、共に伝播させながら一緒に楽しんでもらえれば」と呼び掛ける。
選手募集は10月30日まで。参加費は3万円。参加特典としてソラシドエア就航路線で使える九州との1往復相当のポイントが付与される。