鹿児島県三島村の村役場内で12月1日、同村産焼酎の販売を促進する「特酒営業部隊」が結成された。同日、村長室では「辞令交付式」も行われた。
三島村は竹島・硫黄島・黒島の3つの島から成る村で、2018(平成30)年、黒島に公設公営の焼酎蔵「みしま焼酎 無垢の蔵」が作られた。製造する「焼酎みしま村」「焼酎メンドン」の2銘柄の営業活動を行うため村が職員に募集をかけたところ、42人が集まった。
隊員は「セール酒班」「無垢の酔心班」「ヘル酒ケア班」の3班に分かれ、隊員一人一人が「焼酎ウマイスター」「五時から男」「ファンタジ酒(シュ)タ」「プリンタイ撲滅担当」「酒(シュ)ムリエ」「仮面神メンドンの使徒」などの肩書を持っている。同隊専用の名刺も作成し、各自がなじみの居酒屋などで名刺を配り営業するという。
焼酎みしま村は黒島で栽培するサツマイモ「ベニオトメ」、焼酎メンドンは硫黄島で栽培するベニオトメを使い、黒島の豊富な水で製造されたもの。原料芋生産から焼酎製造まで同蔵が一貫して管理し、「年間合わせて1万本ほどしか製造できない希少な焼酎」と、セール酒班の特命係長・飯田隆志さん。
焼酎メンドンは今年5月から初の蔵出しとなった銘柄で、その名は2018(平成30)年にユネスコ無形文化遺産に登録された「硫黄島八朔太鼓踊り」に登場する仮面神メンドンに由来している。いずれも製造に際して鹿児島の老舗「濵田酒造」(いちき串木野市)が技術支援を行ってきた。
同隊は42人全員が役場の職員で、村長、副村長、教育長も隊員になっている。飯田さんは「コロナに負けず、一致団結して焼酎をPRしていきたい。小さな村の粋な活動を通して、少しでも多くの方にこのおいしい焼酎を味わってもらう機会を広げていければ」と期待を込める。
価格は720ミリリットル入り3,500円。今年8月にオープンした公式オンラインショップ「みしま村焼酎プロジェクト」でも販売する。