鹿児島のミカン農家「森の蔵農園」(いちき串木野市大里)3代目の高橋さやかさんが現在、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で大里ミカンのおいしさを全国に伝えようと支援を呼び掛けている。
大里地区はかつてミカンの名産地で、「大里ミカン」の名で親しまれていたという。高齢化や後継者不足で「戦後800人ほどいた作り手が現在は80人ほど」に減り、ブランド力が弱まっていたが、高橋さんは「新しい味と形で情報発信していこう」と、ジャムやフリーズドライを商品化してきた。
今回初めて挑戦するクラウドファンディングに向け、フリーズドライ品を「Cuwash!(クワッシュ)」の名でリニューアル。一口サイズの「キューブ」に加え、ミカンのスライス形状を生かした新商品「フラワー」の2種類を用意し、パッケージデザインも変更した。
フリーズドライはジュース系の加工品に比べ味の劣化が少なく、「むしろ生の果汁を上回っている」と高橋さん。「加工することで違った刺激が生まれ、その変化に感動している。(農家として)こうした表現の仕方があるのは面白い」と話す。そのほか、リターンにはミカンジャム「Satsuma」や、同ジャムと「Cuwash!」のセット、「Cuwash!」の12袋セットなどを用意し、コースは2,500円から。
集めた支援金は「地元の加工施設で小さな子どもを持つママも安心して働ける託児環境作り」や「廃園になるミカン畑が少なくなるよう情報発信する」費用に充てる。高橋さんは「せっかくミカンに適した土壌がある。かんきつ栽培に興味のある若者に候補地としてもらうよう知名度を上げていきたい」と意気込む。
3月5日23時59分まで。「Cuwash!」は今月21日まで、JR鹿児島中央駅「みやげ横丁」内の「6次化じはんき」でも販売する。