教育行政に国民の意見を反映させていくことを目的に全国で開かれている「リアル熟議」が10月15日、「コミスタ10」(鹿児島市東千石町)で「リアル熟議SATUMA 2011秋の陣」と題して行われた。
2度目の開催となる今回は「リアル熟議in鹿児島」実行委員会が主催、教育同人社と「天文館ビジネストークセッションTenBiz」が共催する。「僕たちの考える、教育のカタチ」をテーマに、メーンゲストに高谷哲也さん(鹿児島大学教育学部講師)、ファシリテーターに石川世太さんを招き、高校生から社会人まで約30人が参加した。
高谷さんのゲストトークでは「『学力』の内容は時代・社会状況に応じて変化するもので、『ゆとり世代』の学力実態には誤解がある。昔と比べることはできない」としたうえで、「これからは生徒と先生の相互理解を深めていかないといけない」など、今の教育の現状とゆとり教育の真実を真摯(しんし)に説明した。
参加者はグループに分かれ、「何が問題であるのか?」「それに対して自分たちは何ができるのか?」というテーマでトークセッションを行い、その後、各グループを自由に移動しながらさらに議論を深めた。
議論内では「企業が『生きる力』を計る術がない」に対し「わざと『逆境』に身を置いてみる」という意見や、「教職員の忙しさが分かってもらえない」に対して「やはり誰かがおかしいと言うべき」などの意見も出るなど、盛り上がりを見せた。
参加者の肥後万悠奈さん(大学3年)は「(参加は)今回で2回目。さまざまな年代の意見を聞き、視野を広げるために参加した。学内にも、こうしたさまざまなジャンルの意見が聞ける交流の場を作っていけたら」と話していた。